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コラム

2022.11.23

寺尾会計の税務的な毎日

消費税インボイス制度~買い手側の対応~

消費税のインボイス制度開始まであと1年となりました。
みなさま、準備の方はいかがでしょうか。

インボイス制度の開始と同時にインボイスを発行するための
登録申請手続きは、原則として令和5年3月31日までです。

登録事業者になるか、免税事業者のまま事業を継続するか。

どちらを選択するか検討を続けている方や、
取引先からの接触があるまで選択を留保している方もまだ多いのではないでしょうか。

11月18日の日経新聞において『数年間の時限措置として、一回の仕入れ額が1万円未満の少額な取引ではインボイスがなくても控除を受けられるようにする』というニュースも掲載されました。

経過措置による制度緩和がこれからも追加されていくかもしれないとなると
登録事業者になるか、免税事業者のままを継続するか、さらに悩ましくなるところですね。


さて、インボイス制度の開始と同時にインボイス(適格請求書)により仕入税額控除しようと思うと
登録番号の取得以外にも準備しておく事項がいくつかあります。

では、登録事業者となった事業者は、今何に取り組むべきでしょうか。

登録事業者は次の2つの立場からの視点それぞれについて対応していく必要があります。
・売り手として
・買い手として

今回は買い手としての視点からインボイスを受領する側の対応について考えていきます。
(売り手側の準備については前々回をご参照ください。)
https://www.teraokaikei.com/2022/11/03/invoice_urite/


自社が簡易課税制度を適用している場合、買い手としての準備は必要ありません
課税売上げに対して一定の割合を乗じて算出した金額が仕入税額控除額となるため
仕入先が登録事業者であってもなくても、仕入税額控除額に影響しないからです。


原則課税制度が適用される事業者が、現在取り組むべきことは、取引先が登録事業者となるかどうかを確認することです。

その目的はいくつかあります。

インボイスの要件に適わない既存の契約書等を、覚書等で補填する
   こちらについては、こちらの記事をご覧ください。
   https://www.teraokaikei.com/2022/05/23/invoice_seikyuusyo/

既存の取引先とのコミュニケーションの材料にする
   今後、既存の取引先の経理状況が不十分であると、
   自社の経理事務の不効率化を招くおそれがあります。
   自社の体制を整えるだけでは、
   どんどん複雑化する消費税法に対応しきれない事態が生じることも予想されます。

   元請け、下請けのような、関係の深い取引先の場合、
   自社の仕入税額控除額をできるだけ大きく、自社の経理をできるだけシンプルにしつつ、
   相手の負担もできるだけ小さくなるような、双方よしの形態を作り上げることが望まれます。

   そのために今、取引先の状況を確認し、お互いのベターに向けて対話していく必要があります。

   共同して改善活動を行うという意味で、こちらの記事も役立つかもしれません。
   https://www.teraokaikei.com/news/monotsukuri-winwin-mokuji/

インボイス制度開始後の数年間にわたる自社の消費税納税額を予測する

   消費税は滞納がもっとも多い税目です。
   それは、赤字でも納税する必要があること、
   また、税率の引上げに伴い 納める税額も多額になったことから、
   あらかじめ資金繰りに予定しておかないと資金ショートにつながるためです。

   法人税額と総合的に考えると、
   インボイス制度の導入が想像ほどの負担にはならない可能性もあります。
   逆に、自社で負担しきれないような消費税額が生じるようであれば
   その取引先との取引条件を交渉せざるを得ないこととなるでしょう。

   まずは現状把握し、そのデータを基に将来の資金繰りを試算する準備段階と言えるでしょう。


なお、令和5年10月1日以降に仕入税額控除を受ける際には、次の3つの行為が必要です。
①インボイスの受領
②必要な事項の帳簿への記載
③インボイスの保存、管理

これらについての具体的な対策に取組むには、今しばらく会計ソフトの対応を待つことになります。

国税庁 インボイス制度の概要
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_about.htm

国税庁 インボイス制度への事前準備の基本項目チェックシート
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0022009-057.pdf

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