アラブ諸国に販路拡大するために ~今話題の「ハラール」を正しく知る~

アラブ・コンサルティングサービス東京

岩口 龍児

第2回 今話題の「ハラール」について

前回はアラブについてお伝えしました。

今回は、最近注目されている「ハラール」について説明いたします。

『世間がつぶやく「ハラール」』 

検索サイトにはリアルタイム検索というものがあります。

 

私の日課はリアルタイム検索に「ハラール」と入力し、

TwitterやFacebookなどのSNS(ソーシャルネットワークサービス)に

世間の方がハラールという言葉で

どんな内容のことをコメントしているかチェックすることです。

 

そうすると、

「ハラールメニュー」

「ハラールレストラン」

「ハラールショップ」など、

食事に関する検索ワードが多いです。

『そもそも「ハラール」「ハラーム」とは』

ハラールというと、

食事に関することだけを表すと勘違いしている方も多いです。

 

しかし、実際は食事だけに限った言葉ではありません

 

ハラールとは

「イスラーム(教)で許されたもの・こと」という意味です。

 

少しわかりにくいかもしれないので、

別の切り口から説明します。

 

ハラールの対義語は「ハラーム」と言います。

ハラームは、「禁じられているもの・こと」ということです。

 

それでは実際にハラームとはどんなことを言うのでしょう。

 

皆さんが関心ある食事のハラームは、

豚肉を控えること、アルコールを飲んで酩酊すること。

 

さらに、殺人や盗み、ポルノやギャンブルなどもハラームとされています。

 

つまり、ハラーム以外はすべてハラールなのです。

 

まとめると、

  1. 「ハラール=食事」ではない
  2. ハラーム以外のものことはハラール

 

そう考えるとハラールというものが、大変わかりやすくなると思います。

さて、皆様にとって関心があると思う「食事に関するハラーム」について話を移りたいと思います。

「豚肉について」

イスラームの宗教戒律では口にすることができない食材の代表が『豚肉』です。

 

豚から避けるというのは、もともとユダヤ教の禁忌といわれていますが、

イスラームでも禁止されています。

 

イスラームの聖典クルアーン(コーラン)の第2章173節には、

「かれがあなたがたに、(食べることを)禁じられるものは、死肉、血、豚肉、

およびアッラー以外(の名)で供えられたものである。」とあります。

 

また、豚由来のゼラチンなども嫌がるイスラーム教徒(ムスリム)もいます。

「アルコールについて」

イスラームの宗教戒律でもう一つ禁じられているのは「アルコール」です。

 

アルコールについて

聖典クルアーン(コーラン)ではどのように記載されているのでしょうか?

 

クルアーン第5章90節には、

「あなたがた信仰する者よ、

誠に酒と賭矢、偶像と占い矢は、忌み嫌われる悪魔の業である。

これを避けなさい。恐らくあなたがたは成功するであろう。」

と書かれています。

 

つまり、飲酒から避けましょうと書かれているのです。

 

さらに、預言者伝承(次回のメルマガで紹介)には、

「酔うものは全てハラームである。

1ファルク(16ポンド)飲んで酔うものは、掌一杯でも(異伝では口一杯haswah)

ハラームである」と書かれています。

 

ある程度食事に関するハラールに詳しい方は、おや?と思うかもしれません。

「アルコール自体を禁止してはいない」

「酔っ払うことがハラーム」ということです。

 

例えば、アラブでは食事を右手で食べます。

 

食後は水や石鹸で右手を洗いますが、その後はアルコールで洗浄します。

つまり、飲酒しないアルコールの使用は日常的にあるということです。

 

日本ではインフルエンザの予防のために

建物玄関にアルコール洗浄のボトルが置いてありますが、

そのアルコール洗浄もハラームではないということです。

 

世間では

アルコール洗浄もイスラームでは禁じられているとの誤解がありますが、

これは間違った解釈ということです。

 

では、アラブの経済・政治・文化を形成するイスラームとは

どのような宗教でしょうか?

 

続きは次回です。

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