相続税の税務調査 税務署はここを見る!
~無用な疑いを避けるには~  

税理士法人 寺尾会計事務所
代表社員税理士 中川明秀

第2回 税務調査は貴重な経験

税務調査の状況

今回は、相続税の税務調査について数字的な指標に触れておきます。

平成27事務年度の調査件数等が名古屋国税局から公表されております。

 

事務年度とは、国税組織特有の年度単位で、7月~翌年6月までの一年間をいいますので

第1回で説明した平成27年分・26年分とは期間が一致しません。

 

平成27事務年度の数値は、

平成27年7月~平成28年6月に調査した件数等の数値となります。

 

 

表にある通り、調査件数は、1,722件です。

 

また、非違割合は84.1%です。
非違割合とは、申告漏れ財産や評価額に誤りがあった割合です。
ひとたび税務調査が入れば、5人のうち4人強は修正申告が必要になるということですね。

 

調査件数が1,722件ですので、
平成26年分名古屋国税局管内の相続税申告件数5,058件から類推すると
調査割合は、約34%となります。

つまり、相続税申告のうち、3割が税務調査の対象となっていることが読み取れます。


感覚として「3割も調査対象になるのか、えらいことやなあ。」 あるいは逆に

「何だ、7割はお咎めなしで終わるのか」等々思うところは千差おありかと思います。

 

ただ、相続税法改正により相続税が身近に迫りつつあることを考えますと、

相続税の税務調査についても、若干の関心を寄せることも必要な時世となったのでは

と思うところでございます。

 

さて、「税務調査とは」。その概要に入る前に、筆者の経歴を少しお話ししておきます。

私は昨年から寺尾会計で税理士として仕事をさせていただいておりますが

その前は30年あまりに亘り税務署で仕事をしておりました。

その間の大半を相続税の担当である資産課税部門に所属し、

調査対象案件の選定から実施まで従事してまいりました。

 

そんな縁もあって今回のテーマをいただいたわけでございます。

税務調査とは

それでは、「税務調査とは」 その概要のところに話を戻します。

 

わが国の代表的な税金である所得税・法人税・相続税など

多くが申告納税制度を採用しております。

 

申告納税制度とは、課税当局が一方的に税額を決めるのではなく、

納税者自らの申告によって税額を確定させる制度です。

 

民主的な納税制度として戦後わが国に定着している制度であります。

 

税務調査とは、この申告納税制度の担保として、

徴税機関が、納税者の申告内容を帳簿などで確認し、誤りがあれば是正を求める

一連の調査手続きをいいます。

 

そんな税務調査でありますが、商売をしていらっしゃる方の一部を除いて、普通は無縁です。

 

第1回の数字を参考にすると、相続税で調査の対象となるのは、亡くなった人ベースで0.1%。
亡くなった人1000人につき1人。

 

やはり普通は無縁。 相続税の税務調査を受けたことがある方は、不運だったというよりは
貴重な経験をされたというべきかもしれません。

 

とはいえ、

税務署に提出された相続税申告書のうち3割が税務調査の対象となっていることもまた

事実でありますので、この3割にヒットされないよう考えていかなくてはなりません。

そこで次回以降は、相続税の税務調査を避けるための相続税申告への取り組み方などに

ポイントを絞ってお話しを進めていきます。

分類一覧

メールマガジン登録

弥生会計支援室 名古屋

金融円滑化法,経営改善計画,経営計画,

相続でお困りの方


ページの先頭へ