顔晴(がんば)ろう製造業 ~前向きな考えのススメ~

航空宇宙業界の展望

今注目されている航空宇宙業界をもう少し詳しく見て行きたいと思います。

航空宇宙業界と一括りにしていますが、

航空分野宇宙分野とはビジネス的には大きく異なっています。

航空分野の将来予測

まず市場規模の大きい航空分野についてお話します。

 

航空分野の主役である航空機は、
その利用者の違いで官需民需に分けられます。

 

官需は発注者が国であり、国防に使われるものが主なものです。
従って、市場規模は国会の予算で決まります。

 

それに比べ民需は、
ボーイング社、エアバス社などの大型機を製造しているメーカーや
ボンバルディア社、エンブラエル社など中型機を製造しているメーカーが
活躍している場です。
民需の発注者は、全日空などの航空会社が主体となります。
当然市場規模は世界の経済規模に連動しています。
ジェット旅客機の機数は、年率4%の成長と
今後20年間で36,000機の市場規模になると予測されています。

 

出典:日本航空機開発協会の民間輸送機に関する調査研究

 

航空分野の新しい動き

近年開発された機体として、
米国のボーイング社のB787や欧州のエアバス社のA380が有名なところです。
中型機のクラスでは中国がARJ-21を自主開発しています。
ロシアもSSJ100を開発し、新たに中型機市場に参入して来ています。
日本も三菱航空機がMRJを開発中であります。

 

このように、中型機市場は
カナダのボンバルディア社とブラジルのエンブラエル社の2社に
中国、ロシア、日本が割って入る様相を呈しています。
世界的に見れば航空機分野は成長分野と言えるでしょう。

 

これを、実際の生産と言う目で見るとどうなるでしょうか。
ボーイング社とエアバス社の代表的な機体の確定受注と納入機数は下記の通りです。

 

 

昨年末時点で2,000機以上の機体生産数を確保していることになります。


航空機分野の特徴として、将来の生産数を10年単位で見通せることが挙げられます。
つまり、自社の生産計画が策定し易いと言うことです。


各機種の日本での製造の関わり

ボーイング社の各機種は時代とともに日本の分担比率が多くなって来ています。

 

 

 

エアバス社のA380については機体メーカーだけではなく
日本の装備品メーカーも多く参画しています。
日本企業の21社がA380の製造に携わっています。

 

 

航空機は月に何機製造するかを生産レートと呼んでいます。
生産レート3機と言われる場合は、月に3機の機体を製造することを意味します。

 

ボーイング社はB787の生産レートを現在の3機から
2013年末までに10機に引き上げると発表しております。

 

生産レートの数字が小さい為か一般の人には大変なことをなかなか理解して頂けません。

 

これを、自動車部品で月に40万個生産していたものを
130万個生産すると言ったらその大変さが理解して頂けると思います。

 

このように航空機分野は、他分野に比べ減産が多い中で増産の話が出てくるところが
注目される一因かもしれません。

 

宇宙分野の展望

宇宙分野も目が離せません。

 

今年12月にロシアから打上げられるロケットに
日本で製造された衛星が4個含まれています。

 

4個とも小型衛星と呼ばれるもので、50cm立方体くらいの大きさです。
そのうちの1個は東海地方の中小企業が複数社で製造されたものです。
「金シャチ1号」と名付けられています。
この小型衛星が成功することを願ってやみません。
成功すれば、この分野の成長が楽しみです。

 

今回航空宇宙業界の展望について概観しましたが、元気な業界と言えるでしょう。

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