黒字経営、そして赤字からの脱却

さくらマーケティングサービス代表
西原弘之

第3回 管理はどこまで必要なのか

利益を生む管理、無駄な管理

第1回・第2回でご紹介した「パレート図分析」「特性要因分析」をご覧になって、

 

そのような管理は肝要であり中小企業がそつなく利益を上げてゆく為には

そのようなツールでしっかり実践する必要があるのだ、

 

というメッセージにはなったかと思います。

 

それでは「管理」というものは、

どのような時にでもあまねく利益を生む、あるいは利益に貢献するものなのでしょうか?

 

私はそのようなことを申し上げるつもりはございません。

かつて田中角栄元首相は、課題となっている物事をすべて覚えていて

それにかかわった人の事も頭に入っていため、物事はほぼ即断即決で決めていたと

いいます。

 

それゆえに、コンピュータ付きブルドーザーと言われましたが、

経営者がコンピュータ付きのブルドーザーならば管理手法など要らないのです。

 

多くの課題を同時に抱えて動く経営者が、時間のない中で課題に直面して
正しく短時間で正解に届くにはどうしたらよいかという為の便利なツールとして

QC手法について触れたわけです。

 

中小企業は(中小企業に限ったわけではありませんが)平たい言葉で言いますと
「売れてナンボ、儲かってナンボ」です。

 

事業なのですから当たり前の事なのですが、
利益に貢献しない管理はすべからく無駄で、無駄どころか工数を食って有害である、という

判断で良いのです。

 

ただ、

「パレート分析」と「特性要因図」は経営者には最低限必要な管理手法なのだ、とは

申し上げておきます。

経営者が自分を管理する

中小企業経営者はコンサルタントを起用したり銀行や会計事務所の助言を求めたりして

いろいろ会社を改革しようと努力をしていますが、

その管理は、多くの場合は「社員の活性化」「社員の生産性の向上」といった点に

狙いがあります。

 

私が国内外の多くの経営者と会ってきた中で結構抜け落ちているなと感じたのは

経営者が自分を管理する、というベクトルです。

 

経営者が自分をしっかり管理できているか。

これは対社員に向ける管理と等しく重要な事です。

 

中小企業は何と言っても社長や経営陣と運命共同体なのですから、

社長や経営陣は健康管理と同じように

健康な思考体系、健康な判断を生む気持ちの余裕を持てているか、

というチェックが肝要です。

 

経営者が自分を管理するという事には、

おそらくほとんどの経営者の気持ちが向いていないのではないでしょうか。

 

「自分の事は自分が一番知っている」人はこう思っています、私も含めて。

これはインドでもマレーシアでもスイスでもペルーでも、経営者さんはみな同じでした。

 

ただそれは社長や経営陣が個人として自分を思う時の事であって

会社としての社長、経営者としての存在となれば話は別なのです。

 

社員やその家族、取引先への責任を思ったときに

トップが健全なトップで居続けられるように、

その戦略的志向や心の居住まいを管理できようにする、という発想は必要なのです。

 

その管理をコンサルタントなどの第三者の力を借りて

維持することには経営にとっては大きな意味がありましょう。

 

第4回目の記事では、社内を活性化させる語り掛けについてお話ししたいと思います。

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