黒字経営、そして赤字からの脱却

さくらマーケティングサービス代表
西原弘之

第4回 社内活性化と6W2H

社員は管理よりも活性化が先

企業は何らかの管理手法を用いて

社員に対して目標管理をしたり、モチベーション設定を行ったりして

社員の活性化を図ろうとします。

 

こういえば読者の経営者の方々も

何人かの"困った社員"の顔が浮かんでいるかもしれません。

 

業績の成否に社員の活性化は不可欠なのは言うまでもない事なのですが、
ここには順番があります。

  1. 活性化して売り上げが上がり、
  2. そこに管理が入ってロスを低減し利益を最大化できる。

この順番です。そしてその逆はありません。

 

営業を知っている経営者なら管理手法で売り上げが上がるとは思いませんし、

また活性化して利益が増えるわけではありません。

 

どこの国でも共通して言えるのは、売れて儲かれば社内は勝手に活性化するという事です

 

特別な活性化策など要りません、

経営者がやるべき最大の活性化策は売って利益を上げることなのです。

 

コンサルタントと組んで社内活性化策を講じたけど赤字でした、

ボーナスは出ませんでしたとなれば、

それまでやった活性化の成果などはどこかにスッ飛んでしまう事でしょう。

社長は自らの考えを語っているか

社内の活性化のためにもう一つ大事な事として私が皆さんに確認をお願いしたいのは、

経営者がその考えを社員にしっかり語っているか?という点です。

 

これは非常に重要な点なのです。

それが無ければ活性化以前の問題で、社員も社内も変わらないと思います。

 

私の専門分野の海外で言いますと、

例えば欧米では経営陣と社員は、雇用主と被雇用者の関係で

意識の上でしっかりと分けられています。

特に中小企業体では経営者が社員に対して戦略や戦術、向いたい方向性を熱く語ることが

非常に多いのです。

 

それには理由があって

被雇用者は雇用者の意を汲んで動くことが雇用契約書に明記されている場合が多く、

そのためには被雇用者が雇用者の意図をしっかり知っておく必要があるからです。

 

とはいえ戦術をいくら語ったとしてもすべてを語り尽くせる訳ではありません。

 

雇用者から聞いた戦略に沿って被雇用者は各々が現場での個別ケースで自己判断し、

その判断の結果としての数字で雇用者から評価をされているのです。

考えを語ることの効果

そこまではっきりさせるのは日本の文化にはなじまないのかもしれません。
ただこれは私が思うに、彼らから学べる合理性だとは思います。

  • 経営者の戦略、戦術、を知ることは業績という全社の共通目標を追うには必要
  • そのプロセスを経ることで経営者と社員の心理的距離も縮められる。
  • 何を報告・連絡・相談(報連相)すべきかがより明確になる。
  • それが双方向のコミュニケーションになった場合に役割分担明確化や改善、そして経営者の気づきにつながることもある。

 

やるべき事の多い中小企業であればあるほど合理的である事はとても大切な事なのです。

 

「社内の活性化」を手っ取り早くしかも原価ゼロでやれる方法として

「社員に語る」は是非実践していただきたいと思います。

語るには6W2H

経営者は社員には"具体的に"語り掛けましょう。

そして常に以下に示した6W2Hを意識して話してください。

 

WHAT      何をしようとしているのか
WHO      誰にそれを担当させたいのか
WHOM     誰に効果のある事なのか
WHEN     いつからそれをやるのか
WHERE     どこでやるのか
WHY      それらに何の意味があるのか

HOW      具体的にどうやってやるのか
HOW MUCH  予算をいくらつけるのか

 

私は何らかの指示を出すときには必ずこの8要素を話に入れます。

 

これを聞いた社員は、ここから向こう側は自分の責任だとはっきり境界が引けるのです。

つまり、肉付けの部分は社員の創意工夫で考えてもらうという事が明確になります。

 

売上目標がいくらで利益はいくらを目指すのだと、得たい結果だけを伝えても

これら6W2Hの枠を示すことなく社員に「創意工夫」を求めたところで

結果は出てくるはずはないと思っておいてください。

赤字からの脱却(黒字経営)は基本に忠実に

製造業の皆さんへの合計4回の記事は、

製造業の方々ならばある程度なじみがあるであろうQC的な話の切り口で進めさせて

いただきました。

 

しかし

赤字経営からの脱却、黒字経営についてお伝えしたいことの三割も書けておりませんし、

私が言っていることがよくわからないという場合やご質問のある企業様は

私のコンサルティング会社である「さくらマーケティングサービス」(http://sakuramarketing.jp) の問合せ欄から入っていただき、

"寺尾会計事務所さんのメルマガの件で"とおっしゃっていただければ、

アフターフォローをさせていただきます。

 

では次回からは

主に非製造業の企業様も対象にした「時間とは利益」に移らせていただきます。

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