黒字経営、そして赤字からの脱却

さくらマーケティングサービス代表
西原弘之

第2回 特性要因分析で赤字の原因を知る

出てきた要素を特性要因分析に展開する

パレート分析によって赤字の各要素がはっきりしてきたら、

次にその要素別に「深堀り」をしてゆきます。

 

その手法はQC七つ道具の中では「特性要因図」として有名です。

 

そんなの知っているよ、という声が聞こえてきそうですが、

この特性要因図を社員ではなく、

経営者自身が経営分析や経営判断の材料として活用しているか、という事を

私は申し上げたいのです。

 

特性要因図がどのようなものかご存じない方の為に、事例としては経営と関係しませんが

まずは「電源トランスの焼損事故の原因分析」を添付してみます。

 

ここでは六つの大きな"原因要素"が白抜きで書かれ、

その個々について"原因の原因"を細かく書き出しています。

 

この大きな原因要素に順位をつけて順位の高いモノから片付けてゆくのが

特性要因図の効果的な利用法です。

 

図を見ると、白抜きで書かれた原因の大項目(原因要素)について

「その原因を引き起こしている原因」が列挙されています。

 

原因要素について具体的にどうしたら良いのかという具体的な課題を

その原因を探ることで見つけ出します。

だれが課題の解決順位を決めるのか

経営者はこの手法を利用して赤字の要素や困った課題を書き出して重み付けをし、

大きなものから解決をしていきます。

 

この重みづけで対策のスピードが決まってくるので

この作業は重要なポイントです。

 

もしも経営課題として「過剰在庫」という項目があるならば、

その原因としては「部品発注ロット」「生産単位数」「販売予測数のズレ」

「顧客のキャンセル」「工程内不良」など様々な要素が出てくるでしょう。

過剰なのは製品であったり仕掛品であったり、部品であったりするでしょう。

その中で何がどの順番で大きな要因であり、なぜそれが起こるのか、

それに対してどうするのかを社長や経営陣が決めるのです。

経営者とQC手法

中小規模の経営者の仕事は具体論を決める、という事です。

 

そして、パレート分析や特性要因図といったQC七つ道具を使うことで、

自社の具体的な課題の事実認識と経営判断ができます。

 

これらのQC手法を野球で例えれば

キャッチボールやバント練習などに相当する基礎の部分です。

特に製造業では、正確なキャッチボールができないようでは草野球になってしまいます。

 

QC手法は、これをすでに知っている、あるいは実践している経営者にとっては

何でもない当たり前の事なのですが、知らないという方が居られたら是非ともこの際に

勉強することをお勧めします。

 

第1回でも書きましたが、QC手法は経営者にとってこそ必要なツールなのです

 

製造業向けの第3回では、こういった管理が利益にどうつながるのか、

あるいは、利益につながらない無駄な管理とは、という観点を提示いたします。

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