黒字経営、そして赤字からの脱却

さくらマーケティングサービス代表
西原弘之

第1回 黒字の原因、赤字の原因

原因認識へのQC的アプローチはできているか

赤字や黒字の原因。これは製造業であれ非製造業であれ、数字を見ればわかります。

 

わかりはしますが、数字や経験値から経営者がこれだと思う原因は

その原因がなぜ起こるのか。その踏み込みが不十分なことが多々見られます。

 

経営者が赤字や黒字不足の原因について

想像や想定を排して「事実」のみをしっかりと認識できているか。

 

これは以後の意思決定を左右する大事な要素です。

 

売上や利益のみならず、すべてに通じる大前提として

今いちど製造業の皆様にはチェックをお願い申し上げたい点です。

QC七つ道具を使うのはだれか

事実認識をする手法の1つとして

QC7つ道具で赤字や黒字の原因を見える化することがあります。

 

QCとは、Quality Control 品質管理のこと。

その具体的な分析手法は7つあり、QC7つ道具といいます。

 

QC七つ道具というと

「工程内の不具合低減や工場試作から量産に移行する際に生産技術が用いる手法」という

認識を持っている経営者が少なくありません。

 

社員がQCサークルで改善を積み上げて行ってくれればいいと思っているだけの経営者も

散見されます。

 

実際に私が今までに出会ってきた経営者にもそのタイプが多く、

QC七つ道具を自社の経営状態の把握と今後の指針に用いるという使い方をしている

経営者は残念ながら少数派でした。

 

しかしQC手法は経営者にとってこそ必要なツールなのです。

少なくとも「パレート図と特性要因図」は必須の道具だと言えるでしょう。

黒字経営、そして赤字からの脱却の第一歩として、まず、パレート分析からご紹介します。

パレート図を赤字の原因分析に利用する

パレート分析とは、
全体に占める各構成要素の割合を明確にし、何に重点的に力を注ぐべきか、
またその重要度や優先度はどのくらいかを分析する手法です。


QCの現場でよく使われるこのパレート図による分析は、
製品不具合原因の重み付けの発見に普段は使われています。

 

例:顧客クレーム要因分析のパレート図

 

このパレート図を経営者が赤字の要素分析に利用する場合、X軸方向に並ぶ要素は

例えば営業要素ではクレーム対応の営業工数、人員の過剰、遠方営業の交通費、など、

また、生産要素だと部品仕入れのロット、過剰在庫(部品、製品)、仕掛品の繰り回し、

不具合品の廃棄ロス、期間工の採用費、残業抑制、など

それぞれの企業の実情によってさまざまな要素が出てくることでしょう。

 

まずはここまで事実をしっかりと洗い出しましょう。

 

欧米の経営者たちはこの作業のことをファインディング(FINDING「発見すること」)

と呼んでいます。

 

製造業向けの第二回では、

パレート図によってあぶり出された分析結果を深掘りしてゆく手法「特性要因分析」に

ついてご紹介します。

[次へ]

分類一覧

メールマガジン登録

弥生会計支援室 名古屋

金融円滑化法,経営改善計画,経営計画,

相続でお困りの方


ページの先頭へ