部下が育つ人材育成の基礎知識

デライトコンサルティング株式会社

代表取締役 近藤圭伸

第1回 部下の「持ち味」を生かした適材適所の配置

適材適所の意義

一般的に適材適所とは

「その人の能力・特性にふさわしい地位や仕事(任務)を与えること」をいいます。

 

もともとの語源は、家の土台には腐りにくい檜(ひのき)を、

屋根を支える梁(はり)には強靭な松を使うといった、

「伝統的な日本家屋や寺社での木材の使い分け」にあるそうです。

 

人材(社員)の適材適所についてもなにかピッタリあてはまる感じがします。

本来は適材適所の前に部下の「持ち味」を把握する

会社で部下に自分らしく、イキイキ働いてもらうためには、

上司は部下の持ち味を理解し把握することが大切です。

 

持ち味とは「よい方向に発揮される個性」のことです。

 

持ち味と似た言葉に「強み」とか「コンピテンシー(高業績を上げる人の行動特性)」が

あります。

 

しかし、上司が「強み」とか「コンピテンシー」を持ち出した途端に

部下は他人と比べはじめ、

「あの人に比べると私は大したことがない」「あの人だからできるのであって私にはできない」

と、少し怖くなったり、自信を無くしてしまいます。

 

それに比べると

持ち味は「あなたのいい個性」であり、

他人と比べる必要はなく「あなたそのもの」と伝えることができます。

 

要するに持ち味は「あなたは、あなたでいいんですよ」と、

そのいい個性を認めてあげるということになります。

 

部下は持ち味を認めてもらうと安心し、自信を持ちはじめ、

自分らしく振舞えるようになります。

 

そのような状況のときに部下は能力を発揮し、結果としての成果をあげることができます。

したがって、上司は部下一人ひとりの持ち味を理解しそれを認め、

配置をしたり仕事を与えるということが重要になります。

部下の「持ち味」を生かした適材適所の配置

上司はこの部下の持ち味を把握したうえで、部下を適材適所に配置し、

100%以上の能力を発揮してもらうことが、

大きな役割(部下と組織の成長のカギ)の一つになります。

 

しかし、現実には部下の持ち味を把握する前に、

会社によって配置が決められてしまうケースが多いため、

適材適所に配置されているかどうかはその時点ではわかりません。

 

一般的には新卒であれば2年、中途入社であれば1年が適材適所を見極める期間として

必要でしょう。

 

上司はこの期間に部下をしっかり観察し、その持ち味を把握する必要があります。

部下が与えられた仕事の中で、持ち味を生かせていれば、

適材適所の配置ができていると考えてよいでしょう。

 

もし、持ち味を発揮できてきていない場合は、

上司は「配置転換をする」「部下にあった新しい仕事を与える」ことをしなければなりません。

 

上司は我慢して適材適所に配置されていない部下を使い続けてはいけません。

上司、部下、会社がとても不幸になってしまいます。

 

上司は適材適所の知識をもって部下を観察し、

その持ち味と仕事をマッチングする責任があります。

 

次回は「部下育成と人事評価」についてお伝えします。

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