契約の基礎知識

大槻経営法律事務所

弁護士・中小企業診断士 大槻 隆

第7回 契約書作成のポイント=損害賠償/秘密保持義務=

契約書作成のポイント

=損害賠償=

 

債務不履行の場合などに、損害賠償義務が発生します。

 

例えば、「当事者のいずれかが第○条(=解除又は期限の利益喪失の条項)のいずれかに

該当し、または本契約もしくは個別契約に違反し、相手方に損害を与えたときは、

その損害を賠償する責任を負う。」

 

事前に損害額を限定することも可能です。

例えば、「XYZメッキが製造する本件商品についてABC商事に

損害が生じたときの損害賠償額は、本件商品の代金額を上限とする。」

 

代金の支払い遅延に対しては、遅延損害金(延滞利息)を約定しておくと良いです。

「元本に年○パーセントの割合による遅延損害金を付加して支払わなければならない。」

契約で遅延損害金の利率を決めなければ、商法上は6%、民法上は5%の利息になります。

契約書作成のポイント

=秘密保持義務=

 

営業秘密はとても重要なので、

契約条項に秘密保持義務を定めておくことは必須になっています。

 

営業秘密とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な

技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいいます。

(不正競争防止法第2条第6項)。

 

秘密は、秘密の保有者が秘密だと思っていることだけでは不十分で、

秘密だと客観的に認識できるような状態、つまり「極秘」「マル秘」などの表示がされたり、

アクセス制限がされていたり、保管の方法が定められていることなどが必要です。

 

つまり、ちゃんと「秘密」として管理されていないとダメだということですね。

 

今回は、ここまでにします。

次回も引き続き具体的な条項を説明します。

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