できる人の仕事ぶり、改善の在り処を探る ~あきらめない職場づくり~

株式会社エフェクト
石井住枝

コスト意識

ぶれない金銭感覚

家庭でできるのになぜ会社になるとできなくなるのか」といつも言われました。

 

自分の家計では、給与の中から必要経費の食費や家賃、生活費を決め、余裕資金を

将来の貯金や保険を捻出していると思います。

 

しかし、会社で働いていると、予算をつけてくれない会社が悪い。

備品を購入してくれるのが当たり前。こんなに安い給与で働いているのだから、

と横柄になり、経費が足りないのは会社の責任となってしまうのは、なぜなのでしょうか。

 

お金が湧いてくるものでないことは、誰でも分かっています。

稼ぎ、節約し、生み出さねば会社にお金があるはずがないのですが、

自分の財布でないと、経費だから大丈夫と大きな気持ちになってしまいます。

 

この意識改革をすることこそが、会社の売り上げのためにとても大切です。

金銭管理と予算管理

ある会社で「予算管理はどうしていますか?」とお聞きしました。

「うちの会社は、経理伝票にひとつひとつサインをして確認しているから大丈夫」

役員さんから即答いただきました。

 

支出の管理をしていれば、本当に予算管理ができているといえるのでしょうか。

 

予算管理では、まず今期必要な経費を積み上げたうえで、前年同期比と比べ確認し、

予算を決定します。

その後、経理伝票処理時に、予算に計上した物品と異なってないか、確認し、

予定と異なるものを計上したい時は、予定していたものを削減しなければなりません。

さらに、その増減をリアルタイムで確認し、管理をします。

 

市販の会計ソフトの活用でもできると思います。

 

私はエクセルで予算管理シートを作成し、

部内の誰でも予算残や物品購入計画の確認できる状態にすることで、

予算内でやりくりできるようにしていました。

 

本来は、お金を使う前に、優先順位を考えて経費伝票処理をしなければなりませんが

予算管理シートがあれば、上司も決裁判断がしやすくなります。

 

予算管理なんて、大変と感じるかもしれませんが、実は誰でも日々行っていることです。

 

例えば、財布に今月はあと1万円しかない時、

使い道の優先順位をきめ、手元にある範囲の中で使う計画を考えていると思います。

 

「自分の財布の中身と同じように会社の予算(支出)をとらえる」事ができれば

会社の売り上げが変化します。

 

半年単位で必要な費用を先に書き出すだけでも、消費経費が変わると思います。

毎月あなたの支出額を知っていますか。

従業員一人一人は、毎月、いくら経費を使用しているのか知っているのでしょうか。

コピー用紙、パソコン使用時間、プリントアウトの失敗の枚数、暖房費や交通費、

業務用車のガソリン代、残業時間等々、出勤している間どのくらいの経費を使っているか、

計算できるようになっているでしょうか。

 

例えば、ボールペンの例をあげましょう。

ボールペンが1本100円、替え芯は30円で購入していることを知らしめていますか。

これが分かれば、社員が200名、一人当たり月に2本インクを消耗しているとしたら、

200名×(100円×2本)=4万円

毎月ボールペンだけで4万円の経費が必要です。

 

これを費用低減によって、替え芯のみに変更すれば、

200名×(30円×2本)=1万2千円

差額は月に2万8千円、年間で33万6千円の節約ができます。

もちろん人数が多ければそれ以上の経費削減となります。

 

会社の売り上げを伸ばそうとすると、つい営業成績に目が行きがちですが、

利益には、加算する金額だけでなく、原価低減によって生み出された金額も

大きく影響します。

 

コピー機では、カウンターを取付け、グループごとに月に使える枚数を決める事をすれば

グループの中でやりくりをする工夫が生まれます。

また、コピー機の前には「白黒1枚●円、カラー1枚●円」と張り出すことにより

会社のコピーであってもコストがかかることを意識させる事ができます。

 

些細な事ですが、その積み重ねが非常に大きなコストになるのです。

あなたの時給知っていますか。

トヨタでは、創意くふう提案という用紙があり、

自らが考え、工夫して原価低減したものを記載して提案します。

このときに必要になるのが、自身の時給です。

 

創意くふうの提案用紙の記載の事例として、

例えば、仕事の簡素化を行い、チェクリストなど共有シートを作ったことにより

従来のやり方より大幅な時間短縮ができた時を考えてみましょう。

毎日の作業時間が1時間かかっていたものが、半分の30分になった際の計算方法は、

時給×0.5H×20日(1か月稼働)×12か月で1年間のコスト低減が計算できます。

 

同じ様な作業にも展開し、改善できるものが増えれば会社の大きな原価低減となります。

その原価低減された金額によって、賞金が付けられる仕組みが創意くふう制度でした。

自身の時給は給与明細から算出できると思います。

 

単に引き締める原価管理だけでなく、創意くふう制度のように努力したことに対して

褒める仕掛けづくりをすることで、継続できるしかけにつながります。

 

楽しんで、会社の経費節減につながる創意くふう制度。

会社にとって低減の金額の一部を還元するだけで済むのですから、

メリットは大きいと思いますよ。ぜひご活用くださいね。

 

次回は、「みえる化・標準化」をお伝えします。

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