黒字経営にするために

中小企業支援のための中小企業診断士
河合裕

掲載日:令和2年3月13日

第2回 粗利をあげるには、どうしたらよいか?

今回は、

黒字経営をめざす指標として最適な「粗利」を上げるための考え方をお伝えします。

粗利を上げるための方法

粗利を上げるための考え方は2つあります。

数を広げる発想    → 売上個数を増やす、買ってもらう人を増やす

利ざやを広げる発想  → 売値を上げる、仕入れ値を下げる

 

このうち、どちらに重点を置くかは業種により異なるという点に留意しましょう。

① 数を広げる発想 

「数を広げる発想」が適する業種の代表は小売業です。

スーパーなどの小売業について考えてみましょう。

 

例えば、野菜などの商品を、特に品質などが変わらないのに、

利ざやを広げようとして、他のスーパーに比べ、高くしたらどうでしょうか?

 

誰も買いに来ませんね。

スーパーなど、商品自体を差別化しづらく、しかも、売れるだけ商品を仕入れることが

できる業種では、いかに「たくさん売る」かが、粗利を稼ぐために重要になります。

 

そのために、いかに商品の回転を高めるか、

またときには、セールをやって来店客数を増やすか、などの施策が重要になってきます。

②「利ざやを広げる発想」が適する業種

「利ざやを広げる発想」が適する業種もあります。

 

たとえば、製造業なら、持っている設備の生産量や職人の数、

建設業なら、資格を持っている従業員の数により、

会社として受注できる仕事量に限界があります。

 

仕事量に限界があるのに、安く受注してしまったらどうなるでしょうか?

 

高い利ざやの仕事が来ても断わらなければいけません。

そうすると粗利は下がり、赤字になってしまいます。

 

つまり、これらの業種は、

仕事量に余裕があれば、そこに至るまで売り上げ(数)は増やすのですが、

あくまでも、高く売る=大きい利ざやでの受注獲得に重点を置くべきです。

 

このように、業種によって粗利を上げる発想の重点が違うことに注意しましょう。

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