「論語と算盤」を現代の経営に活かす!

ほめる人間力研究所
渡辺洋之

掲載日:令和2年1月14日

第2回 リーダーは「器」(限定的なもの)であってはならない

よく「あの人は器(うつわ)が大きい」とか「人間の器量」という表現をします。
論語の中にも「器」に関連した章句が出てきます。

今回は、組織のリーダーに求められる「器」についてお伝えします。

 

子曰わく、君子は器ならず

伊與田覺先生の解釈です。

先師が言われた。「出来た人物は、特定の働きを持った器のようではない

 

論語の中で「器(うつわ)」とは特定の用途を持つ道具の事です。

 

机には机の用途があり、椅子には椅子の用途があります。

椅子の上で書類を記入することは出来ませんし、机は座るものではありません。

 

孔先生は「出来た人物は、特定の働きを持った器のようではない」と言っています。

 

論語をビジネスに読み替えると・・・

具体的には、「私は事務屋なので営業はどうも…」とか、

「私は製造部なので人事の事はちょっと…」とかよく聞く話です。

 

組織のリーダーは特定の分野だけに強いだけでは十分と言えません。

一役一芸にのみ役立って他のことに役立たない人は「器物」と言えるでしょう。

 

確かに限定された分野に経験や技量を持っていることも大事なことです。

しかしリーダーには、ビジネス全体にわたる総合的な知識や大局観的な視点が求められます

 

ビジネスバッグと風呂敷の違いを考えるとわかりやすいと思います。

風呂敷は包む物によって、丸いもの、長いもの、四角の物、丸いもの、

どんな形の物でも、自由自在に形を変えて包み込むことが出来ます。

 

リーダーの心得

最初から万能な器になることは出来ません。

まず、特定の分野にとことん打ち込んで、その完成を志すことです。

その連続が、少しづつ私たちの器を大きくしてくれます。

千里の道も一歩からです。

 

自由自在、臨機応変に対処できる度量の大きな人物が、求められているリーダー像です。

首を垂れて、自分以外すべての人が師であるという気持ちで教えを請い、

さまざまな体験、多くの読書、幅広い交際などを通して、

「人間の器」を大きくしていきたいものです。

 

論語 為政篇 書き下し文

子曰わく、君子は器ならず。

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