2026.06.13
寺尾会計の税務的な毎日
令和7年分の確定申告状況が公表されました【贈与税】
前回は国税庁から公表された令和7年分の確定申告状況より、所得税・消費税についてお伝えしました。
今回は贈与税の申告状況についてお伝えしてまいります。
【贈与税 全国】
令和7年分 申告人員 47万人 申告納税額 5038億円
令和6年分 申告人員 47万人 申告納税額 3900億円
令和5年分 申告人員 51万人 申告納税額 3500億円
贈与税申告については、申告者数は過去11年間で最も少ない水準となりました。
一方で、申告納税額は過去最高となっています。
申告内容を詳しく見ると、暦年課税・相続時精算課税の申告人数は減少しているにも関わらず
申告納税額はどちらの申告方法でも25%程前年よりも増加しています。
これは公式な情報ではありませんが、一つの可能性として考えられるのが、自社株式の贈与です。
令和6年11月には、取引相場のない株式の評価方法見直しの可能性が高まったことから、
評価改正前に大規模な自社株贈与を実施したケースがあったのではないかと推測しています。
さらに、令和8年度税制改正では、貸付用不動産や不動産小口化商品の評価方法の見直しについて盛り込まれています。
これにより、従来の「相続税評価額と時価の乖離」を利用した圧縮効果が大きく制限される見込みです。
評価方法の変更が予定されると、その前に財産移転を検討する動きが生じやすくなります。
過度な節税を目的とした行為については、贈与税の基礎となる金額が否認されるリスクも否定できません。
そのため慎重な判断が必要ではあるものの、こうした制度改正の影響を受け、
令和8年分においても贈与税の申告納税額の高い水準は続くのではないかと注目しています。
令和6年は定額減税や相続時精算課税の基礎控除導入という税制の変化があり
財や税収にも大きな変化が見受けられました。
令和7年においても、各税目で世相や税制の変化を反映した特徴的な動きが見受けられます。
こうした経済環境や税制が大きく変化する時代では、過去の延長線上だけで判断することが難しくなっています。
「制度が変わったら考える」のではなく、
「変化の兆しを捉え、先回りして準備する」ことの重要性がますます高まるでしょう。
税務や資産承継においても、将来起こり得る変化を見据えながら、早めに情報収集と対策を進めていきたいものです。
参考HP:令和7年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について
https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0026005-037.pdf
名古屋国税局 令和7年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について
https://www.nta.go.jp/about/organization/nagoya/release/r07/kakutei_jokyo/kakutei_jokyo.pdf
