2026.06.03
寺尾会計の税務的な毎日
令和7年分の確定申告状況が公表されました【所得税・消費税】
国税庁から令和7年分の確定申告状況が公表されました。
【所得税 全国】
令和7年分 申告人員 2300万人 申告納税額 4.6兆円
令和6年分 申告人員 2300万人 申告納税額 4.4兆円
令和5年分 申告人員 2300万人 申告納税額 4.0兆円
所得税申告については、申告者数は微増でしたが、納税申告の方は昨年より20%以上増加しました。
令和6年に定額減税が行われたことにより、同年の納税申告の方が前年比で20%減少していましたから
納税申告の人数は平年ベースに戻ったものと考えられます。
【消費税 全国】
令和7年分 申告人員 217万人 申告納税額 8400億円
令和6年分 申告人員 210万人 申告納税額 8000億円
令和5年分 申告人員 190万人 申告納税額 6800億円
令和4年分 申告人員 100万人 申告納税額 6200億円(インボイス前)
消費税については、申告者数・納税額ともに増加しています。
インボイス制度の影響もありますが、近年の物価上昇による売上金額の増加も一因となっている可能性があります。
所得税、消費税どちらの税目にも同じことが言えますが、
物価が上昇する局面では、帳簿上の利益は増えても、実際の資金繰りは厳しくなりがちです。
例えば、仕入れ価格が安かった時期の商品を、物価が上昇した後に販売すると、利益は大きくなります。
その結果、所得税や法人税などの税負担も増加します。
しかし、その後に同じ商品を仕入れようとすると、今度は値上がりした価格で仕入れなければなりません。
そのため、利益は出ているように見えても、手元に残るお金は思ったほど増えないことがあります。
具体的な数字で見ると、次のような仕組みです。
①「帳簿上の利益」の増加 ⇒ 利益は30円となり、税金はこの「30円」に対してかかります。
過去: 物価が安い時に商品を70円で仕入れた。
現在: 物価が上がり、商品が100円で売れた。
②「手元のお金」の減少 ⇒ 手元に残った10円から、「30円」に対してかかった税金を納めます。
現在: 物価高のため、次は仕入れに90円かかる。
未来: 100円の売上から90円を払う。手元に残る現金は10円。
でも、税金は 30円の利益に対して計算される。
特に消費税は、預かった税金を後で納付する仕組みであるため、
資金を別の支払いに使ってしまうと納税時に資金不足となり、滞納につながりやすい税金です。
物価上昇が続く現在は、「利益が出ているから安心」と考えるのではなく、
資金繰りや納税資金の確保にも十分注意することが大切です。
参考HP:令和7年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について
https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0026005-037.pdf
名古屋国税局 令和7年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について
https://www.nta.go.jp/about/organization/nagoya/release/r07/kakutei_jokyo/kakutei_jokyo.pdf
