2026.03.13
確定申告よもやま話
還付される税額がある = 還付申告 ではありません 【所得税】
令和7年分の所得税の確定申告期限(3月16日)が、いよいよ残り3日となりました。
当事務所でも申告モレはないか、提出すべき届出は作成されているかなど
最終の確認業務に取り組んでいます。
令和7年申告の最も大きな特徴は、基礎控除額の改正であったように思います。
これまで合計所得金額が2400万円以下であれば一律48万円であった基礎控除。
これが改正により、
合計所得金額が2400万円以下であっても95万円~48万円と
段階的に変動する組立てとなりました。
なお、今般の基礎控除の改正は所得税にのみ行われ、
住民税申告については依然として43万円のままです。
よって、住民税は前年通りの計算により課税されることとなります。
この基礎控除額の改正の影響で、特に基礎控除が95万円~88万円となる所得金額の方について
所得税が還付される申告となるケースが複数ありました。
そこでご質問をいただいたのが『還付申告なら、申告期限は5年以内ですよね』ということです。
確かに所得税の還付申告であれば、申告期限はその年分の翌年1月1日から5年間であり
翌年3月15日の申告期限を意識する必要はありません。
しかし、ここで注意すべき点は「所得税が還付される=還付申告」ではない という点です。
そもそも還付申告とは、本来は所得税の申告義務がない方が
「源泉徴収税額」や「予定納税額」が、「年間の所得から計算した所得税額」よりも多い場合に
納め過ぎた税金の還付を受けるために行う申告をいいます。
代表的な例としては、
給与所得者が医療費控除や寄付金控除を適用するために確定申告を行うことがあげられます。
このような還付申告は、通常の確定申告期間(2月16日~3月15日)に関係なく、
その年分の翌年1月1日から5年間であれば、いつでも提出することができます。
一方で、所得税が還付される場合でも「還付申告」とはならないケースがあります。
たとえば、給与所得や公的年金等の雑所得、退職所得がない方が確定申告を行い、
申告書第一表の「差引所得税額」に税額が計算されているものの、
「源泉徴収税額」や「予定納税額」がそれを上回るため、結果として還付になる場合です。
この場合、その方は『所得税の申告義務がある方』に該当します。
したがって、この申告は還付申告ではなく、通常の確定申告として扱われます。
そのため、申告期限は3月15日までとなります。
所得税の申告義務があるかどうかは、所得の区分によっても判断が異なります。
よって、所得税が還付となったり所得税額が0円となるかどうかにかかわらず
「所得税の確定申告書は、3月15日までに提出しておく」ことが実務上は無難といえるでしょう。
参考HP:国税庁 確定申告が必要な方
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2025/01/1_06.htm
国税庁 No.2030 還付申告
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2030.htm
