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コラム

2025.07.13

リーダー / 経営者 / 管理者

パワハラ3要件/成長と懲戒

人権についての意識が高まる昨今、法務省をはじめとする各省庁においても
人権啓発活動として、ビジネスと人権に関する理解促進と意識向上に向けた活動が行われています。

冊子『「ビジネスと人権」への対応』においては
企業が配慮すべき主要な人権リスク類型として26類型が列挙されています。

その26類型の中でも、パワーハラスメント(パワハラ)については
パワハラ防止措置がすべての企業に義務化されています。


次の3つの要件をすべて満たす場合に、パワハラと認定されます。

優越的な関係を背景とした言動(上から下
  上司→部下、熟練者→新人、大勢→少数

こうした強い立場を有する者からのハラスメントであること

②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの(やりすぎ
  業務に関係のない命令
  業務の目的を大きく逸脱した言動
  業務遂行の手段として不適当な言動
  社会通念上許容される範囲を超える言動

こうした不要・過剰な言動であること

③労働者の就業環境が害されるもの(嫌なこと
  『社会一般の労働者』にとって、身体的または精神的に苦痛で、就業環境が不快なもの

セクハラと異なり、パワハラは受け手がパワハラと思えば即パワハラというわけではありません。


これらの要件のうち一つでも欠けているとパワハラと認められないとはいえ
一つでも該当する場合には、人間関係や職場の雰囲気に負の影響が生じ
ひいては、業績や離職率の悪化などにつながりかねないため、早期に何らかの改善活動が期待されます。

ビジネスにおいては『指導』が必要な場面も多いものですが
その言動が『指導』なのか『パワハラ』なのかを判断するにあたっては
その指導が「業務上相当なのか」「平均的な労働者にとって著しく負担なのか」など
総合的、かつ、主観的にもなりうる判断によることとなります。
同じ職場内で働く人の間でも意見が分かれることもあり、取組みが難しい面もあります。

まずは、自分だけで考え込まず、相手や第三者の意見を聞くなどして
自身/相手の言動を客観的にとらえていく必要があるでしょう。  

自身/相手の発言が、状況の改善や相手/自身の成長につながるものなのか
自身/相手に、相手/自身を懲らしめたいという気持ちがないか
そういった視点で行動を振り返り
適切な距離間で、互いが互いを思いあえる職場環境でありたいものです。

【参考資料】

法務省 今企業に求められる「ビジネスと人権」への対応
https://www.moj.go.jp/content/001417138.pdf

厚生労働省 パワハラ防止措置の義務化
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000855268.pdf

法務省 企業における人権研修 ~企業の人権研修担当の方々へ~
https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken04_00188.html

政府広報オンライン NOパワハラ なくそう、職場のパワーハラスメント
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201304/1.html

中小企業庁 「CSR」で意識が変わる 企業は伸びる
https://www.chusho.meti.go.jp/soudan/jinken_pamf/download/CSR_jinken_tantou.pdf

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