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コラム

2023.12.03

業務効率を上げる! 年末調整編

年末調整のキホン!保険料控除申告書


今年も12月がやってまいりました。
年末調整の各種申告書をすべての従業員さんから入手されましたでしょうか。

横書きで3枚ある申告書はどれも文字が小さく、情報量が多いので、
完璧に記載して提出できる方はなかなか少ないように思います。

年末調整業務は、事業者にとっては手間のかかる業務でありますが、
毎年同じ時期に行う業務であるため、
事前準備や従業員への周知・教育により効率化を図りやすい業務であるともいえます。

改善するためには、制度の全体像や流れを知っておく必要があります。

そこで今回は、保険料控除申告書のうち、
特に生命保険料控除と業務改善について簡単にご紹介させていただこうと思います。


年末調整は、従業員(給与所得者)の所得税を算定する手続きです。

給与所得者の収入は、給料や賞与といった、会社から支払われる給与です。

給与所得者の所得を計算する際は、この給与の金額から、法律で定められた控除額を控除します。
 ※給与収入の金額 ― 給与所得控除額 = 給与所得の金額

この給与所得の金額から、その給与所得者に応じた所得控除額を控除した金額に所得税が課税されます。
 ※給与所得の金額 ― 所得控除額 = 所得税が課税される所得金額

保険料控除申告書は、その年内に支払った保険料額に応じた所得控除額を算定するための申告書です。

その年中に支払った保険料額は給与所得者ごとに異なりますから、
給与所得者から申告されない限り会社がその金額を把握することができません。

そこで、給与所得者は自ら書類を整えて、申告書を会社へ提出する必要があるわけです。


保険料控除証明書に記載する保険の種類は大きく4つに区分されます。

①生命保険料
  終身保険、定期保険、医療保険、介護保険、個人年金など

②地震保険料
  地震保険、建物更生共済、長期損害保険料など

③社会保険料控除
  健康保険料、介護保険料、国民年金保険料など(給与から天引きされたもの以外)

④小規模企業共済等掛金
  小規模企業共済掛金、iDecoなど(給与から天引きされたもの以外)

一言で「保険」といっても様々な種類の保険があるところがこの申告書がわかりにくい要因のひとつです。


この保険料控除は、実際に保険料を負担した方の所得控除対象として計算します。

例えば、妻が契約者である終身保険料を給与所得者である夫が支払っている場合には、夫の所得控除の対象となります。
また、妻に対する国民健康保険を給与所得者である夫が支払っている場合には、夫の所得控除の対象となります。

ですから、保険の契約者や被保険者が給与所得者であるかどうかにかかわらず
基本的には、保険料控除証明書さえ提出されれば、その保険料はその給与所得者の所得控除対象と考えて構いません。(例外として、④小規模企業共済等掛金控除は契約者本人分のみが控除対象です。)

しかし、生命保険の場合、保険料を負担する人と保険金を受取る人が誰かによって
将来、給与所得者やその家族が不要な税金を負担することにもなりかねません。

よって、後々のトラブルを避けるためにも、本年から支払いが始まった生命保険料がある場合には、
その保険料を支払ったのが給与所得者本人であることを念のために確認しておきましょう。


また、年末調整の資料として保険料控除のための書類を会社に提出することができない場合には
年末調整において保険料控除を受けることはできません。

提出期限内に書類が提出されなくて年末調整業務が遅延したり、
提出期限後に書類を提出されて年末調整計算をやり直すことは、業務効率を下げることとなります。

ですから、「提出期限までに書類を整えることができなかった従業員については、
保険料控除を税額に反映したい場合、後日ご本人で確定申告を行うこととなる」と
事前にアナウンスしておくと、よろしいのではないでしょうか。

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