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コラム

2023.01.23

社長応援日記

信用力の一指標:借入に伴う経営者保証

諸処の活動をしていく中で、目標を持つことによりその活動に活力が加わることがあります。

日々、顧客満足や売上等を気にかけているけれど、どのようになると優良企業と認められるのかわからない。
経営計画を立てて業務改善を図っていきたいが、どんな目標を掲げればよいかわからない。

こういった目標設定についての悩みをお持ちの経営者さんもいらっしゃるでしょうか。

優良企業と判断されるための視点や基準はいくつもありますが
今日は経営者保証に関するガイドラインを基に、信用性を上げるための経営状態についてご紹介します。


経営者保証に関するガイドライン」は、中小企業・経営者・金融機関の自主的なルールです。
関係者が自発的に尊重し、遵守することが期待されている指針であり、法的な拘束力はありませんが
運用開始から10年目となる現在、さらなる活用促進に向けて国が注力していく旨が公表されました。

「経営者保証」とは、
金融機関等から融資を受ける際に、経営者個人が会社の連帯保証人となることを指します。

ガイドライン制定当時には新規融資のうち85%以上の融資において、経営者保証がつけられていました。令和4年上期においては70%以上と、この経営者保証なしでの融資が広まってきているとはいえ依然として多くの融資について経営者保証が設定されています。

経営者保証があると、万が一会社が経営に行き詰ったとしても個人から返済をしてもらえるため、金融機関等が融資を実行しやすくなります。

また、見る立場を換えれば、
経営や会社規模にかかる金融機関等の不安を、経営者保証でカバーすることによって、中小企業が融資を受けたり、低めの金利で借り入れしやすくなります。

このように経営者保証そのものは、経営への規律付けや資金調達の円滑化に寄与する制度という面もあり、ぜひ外した方が良い、借入する際には経営者保証なしにしましょうとオススメするものではありません。

しかし、経営者保証がない、あるいは、経営者保証を解除できる状態にある会社というのは、会社の信用力・事業力を取引先等へ主張する際の一つのステータスとなります。

そういう意味で、経営者保証がない、あるいは、経営者保証を解除することを改善の目標に据えることは、会社の経営体制を改善するために有用であると考えます。


さて、経営者保証がない、あるいは、経営者保証を解除できる状態にするために
前述のガイドラインにおいて求められる経営体制は次の3つです。

①法人・経営者間の一体性の解消
  法人の業務、経理、資産所有等に関し、法人と経営者の関係を明確に区分・分離する。

  法人と経営者の間の資金のやりとり(役員報酬・賞与、配当、オーナーへの貸付等)を
  社会通念上適切な範囲を超えないものとする体制を整備する。

  この整備・運用状況を、外部専門家が検証し、その結果を関係者へ開示する。

②財産基盤の強化
  法人のみの資産や収益力で返済が可能と判断しうる財務状況・経営成績にする。

  上記の状態になるための経営改善に努める。

③関係者に対する経営の透明性確保
  資産負債の状況、事業計画や業績見通し等に関する関係者からの情報開示の要請に対して
  正確かつ丁寧に、信頼性の高い情報を開示・説明する。

  
  事業計画・業績見通し等に変動が生じた場合には、自発的で適時適切な情報開示に努める。

個人と法人を区別し、②財務状況を整えながら、③関係者へ誠実に情報共有する。

いかがでしょう。いずれもとても難しい整備であるとは思われないのではないでしょうか。

できることを一つずつ行うことで、いつの間にか大きな改革がなされるものです。

自社の信用性向上のために、
経営者保証に関するガイドラインを基にした経営体制の改善を目指してみませんか。

参考HP:
中小企業庁 経営者保証
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/keieihosyou/

経済産業省 経営者保証改革プログラムを策定しました
https://www.meti.go.jp/press/2022/12/20221223006/20221223006.html

全国銀行協会 経営者保証ガイドライン
https://www.zenginkyo.or.jp/adr/sme/guideline/

中小企業庁 事例で見る経営者保証の解除
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/keieihosyou/download/jirei.pdf

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