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コラム

2022.06.23

寺尾会計の税務的な毎日

消費税:還付申告への対応強化

消費税が10%となり、早2年9ヶ月が経とうとしています。
消費税負担が増えていると思いきや、消費税の還付申告が増加傾向にあるとのことで驚いています。

消費税は、輸出免税や免税店における免税販売が主要な事業である場合、ないしは高額な設備投資を行った場合などに、還付申告書を提出することで還付金を受けることができる仕組みとなっています。

平成30年度には18万8千件だった還付申告は、令和2年度には25万件と、6万2千件の増加
また、還付税額についても4兆3千億円から、4兆9千億円と3千億円の増加となっています。

そして、税関分の課税状況、つまり国境をまたぐ課税仕入等も年々増加しており、
平成30年度には1,480万件だった申告件数が、令和2年度には1,580万件と、100万件も増加しています。


今年1月に国税庁は「消費税還付申告に関する国税当局の対応について」を公表しました。
それによると、還付申告の中には、取引区分の誤りや固定資産等の取得時期の誤りがあるものも少なくないようです。

そして、売上げ・仕入れの架空計上・仮装計上による消費税の不正還付も増えてきているとのことです。

昨年11月に公表された「令和2事務年度 法人税等の調査実績の概要」においても、『消費税還付申告を提出した法人のなかで総額219億円を追徴し、うち34億円を不正還付として、特に厳正な調査を行い追徴された』と報告されています。


以前より、国税庁は消費税の還付申告について、注視するよう指示をしてきたところですが、これをうけて令和3年7月に、各国税局に対し、還付申告法人の更なる対応強化の指示を出しました。

消費税の還付申告が提出されると、税務署においてはまず、約20項目にわたる形式的審査が行われ、その審査項目に1つでも該当すると、調査部門に引き継がれます。

調査部門は、対象者への接触の要否やその方法を検討し、厳正な審査の上、確認書類の追加提出を求めたり、実地調査を行ったりして適正申告であるかどうかの確認が行われます。

確認・調査中は、還付金の支払手続きがいったん保留されます。

申告内容に不明点が残る場合には、還付を保留する期間が長期にわたる場合もあります。 還付の保留期間が長くなればなるほど、会社の資金繰りに大きな影響が出てくるでしょう。

消費税の還付が見込まれる事業年度に関しては、次のような裏付資料をそろえるよう準備を行っていただきたいと思います。

 輸出免税や免税店における免税販売が主要な事業である場合
  ・輸出許可通知書
  ・輸出取引にかかるインボイス等の写し 等

 高額な設備投資を行った場合
  ・設備投資にかかる契約書や請求書等の写し
  ・取引実態を確認できる資料
  ・取得した資産の写真         等

消費税還付申告の年度については、納税者様と会計事務所が協力して、スムーズな還付振り込みを目指したいですね。

参考HP:国税庁

消費税還付申告に関する国税当局の対応について
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0022001-098.pdf

令和2年度統計年報 3 間接税 消費税
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/shohi2020/pdf/07_kazeijokyo.pdf

令和2事務年度 法人税等の調査事績の概要
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2021/hojin_chosa/pdf/01.pdf

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