愛知県名古屋市緑区|税理士・会計事務所
愛知県名古屋市緑区の税理士|税理士法人寺尾会計事務所

全メニュー

コラム

2010.01.10

トモヤンクンの経営・会計言いたい放題

何故だろう 利益は出たが 金がない

税研情報センターが2009年に開催した第1回会計川柳のコンテストで、見事最優秀賞に選ばれた一句がこれです。
何故だろう 利益は出たが 金がない
経営者や財務担当者の素朴な疑問が素朴にかかれていて、
思わず、わかるわかる、とうなずいてしまう一句です
このような状況は、お金が動かなくても利益・費用を認識することによって生じます。
昔々は現金主義といって、現金が実際に会社に入ってきた、または、出ていったときに取引があったものとして、仕訳をきりました。
今では、売掛金や受取手形を始め、クレジットやファクタリングなど、現金以外の決済方法が多くあるため、取引が発生した時に仕訳をきる発生主義が採用されています
具体的に言えばこうです。
2月1日 商品を1億円で販売する契約を結びました。
3月1日 商品を先方に渡しました。
4月1日 売掛になっていた1億円のうち4000万円を受け取りました。
5月1日 売掛になっていた残り6000万円を受け取りました。
現金主義会計だと、
2月1日 仕訳なし
3月1日 仕訳なし
4月1日 現金 4000万/売上 4000万
5月1日 現金 6000万/売上 6000万
発生主義会計だと、
2月1日 仕訳なし
3月1日 売掛金  1億 /売上    1億
4月1日 現金 4000万/売掛金 4000万
5月1日 現金 6000万/売掛金 6000万
仮に、3月31日が決算日とすると、
現金主義会計で財務諸表を作成すれば、利益も出ていないけれど、現金も持っていない状態です
発生主義会計で財務諸表を作成した場合、利益は出たけど、現金はない状態になっていますね
つまり、現金受取と利益計上の時間差によって、「利益は出たが、金がない」状態になるわけです。
ほかにも、現金の動きなしに費用を計上したり(減価償却・引当金計上など)すると、同様の状態になります。
このような時間差が続くと、黒字倒産が現実のものになってしまうわけです。
そこで、「利益は出たが、金がない」状態でないかどうかを確認するために、キャッシュフロー計算書が作成されるのです。

お問い合わせ

お問い合わせフォームまたは
お電話よりお気軽にご連絡ください。

お問い合わせフォーム

お電話でのお問い合わせ

TEL.052-622-2279