事業承継を円滑に進める人材戦略

Thermalworks株式会社
富平晃行

第2回 次期社長の右腕とは

「社長の右腕」2つのパターン

  • 参謀役としての「社長の右腕」
  • 事業の行く先を大きく伸ばす存在、自社にはないノウハウ・経験を持った人材

参謀役としての「社長の右腕」の存在

人材戦略の中でも最も重要なポジションである「社長の右腕」には

大きく分けて2つのパターンが存在します。

 

まずは参謀役としての「社長の右腕」についてお話します。

 

社長といえどもスーパーマンではありません。得意、不得意があるのが当然です。

根っからの技術屋、開発者であった本田宗一郎氏には

経営面において強力なサポートをする藤沢武夫氏という存在がありました。

また、井深大氏、盛田昭夫氏の関係も補完関係であったといえると思います。

 

このように、社長の不得意な分野、あるいは得意な分野に邁進するために

その他の領域を一手に引き受ける存在となるのが「社長の右腕」。

わば名参謀の存在が会社の大きな発展には欠かせません。

 

これが右腕となる人材の第一のパターンです。

 

参謀役としての社長の右腕には、社長との絶対的な信頼関係が必要です。

経営の一部を安心して任せることのできる存在でなければいけません。

また、時に耳の痛い話を素直に受け入れる「社長の器」が試される存在でもあります。

 

プロフェッショナル人材という「社長の右腕」

「社長の右腕」もうひとつのパターンは、プロフェッショナル人材という存在です。

 

プロフェッショナル人材の定義とは、各社それぞれ異なりますが、

一言でいうと事業の行く先を大きく伸ばす存在ということになります。

 

中でも、今後新たな事業展開を考えている企業にとっては、

自社にはないノウハウ・経験を持った人材ということになり、

積極的な採用活動が繰り広げられています。

争奪戦といっても過言ではない状況が日本全国で起こっているのが現状です。

このプロフェッショナル人材の確保については次回に詳しくお話いたします。

 

社長の右腕を育てるか、採用するか。

さて、事業承継を見据えた人材戦略でまずチェックしていただきたいのが、

この次期社長にとっての右腕が社内に存在するかどうか、です。

 

そもそも、オーナー企業における社長の存在は、すなわち大株主でもあり、

会社のガバナンスの全権を有する存在です。

 

そんな次期社長にとって耳の痛い話をしてくれる人材が今の社内にいますでしょうか。

 

次期社長が腹を割って相談できる(かつ一目置く)人材がいますでしょうか。

 

あるいは新しい事業展開、成長を牽引する知見や意欲を持つ人材がいますでしょうか。

 

もしすでに候補となる人材が存在するということであれば、

先を見据えたミッション(事業企画への参加や派遣型の経営研修に通学させるなど)を

積極的に与え成長を促す試みが必要です。

 

政府が進める「プロフェッショナル人材」の採用

また、今の社内には右腕候補の人材が不足しているという場合は採用を考え、

積極的に社外の優秀な人材を取り込む行動をとることをお勧めします

 

現在、政府はプロフェッショナル人材の獲得が「攻めの経営」に繋がるとし、

地域の企業にUターンやIターンでの人材流動を促す取り組みを推進しています。

 

それが内閣府の推進する「プロフェッショナル人材事業」です。

 

全国各道府県にプロフェッショナル人材戦略拠点を設置し、

民間の人材ビジネス事業者も活用しながらこの事業を推進していますので

詳細をご覧になりたい方は内閣府HPをご覧いただければと思います。

 

次回は自社にはの強みを新たに創出しビジネスを推進できる人材、

「プロフェッショナル人材」確保のための採用戦略についてお伝えしたいと思います。

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