従業員に給料分働いてもらうには

さくらマーケティングサービス
西原弘之

第1回 給料分の働きとは何か

どこまでが「給料分」か。経営者は定量的に言えるか

『せめて給料分は働いてくれよ』

経営者にとっては顔を見るたびにそう思うような社員は必ずいるものです。

いないとしたら
その経営者は素晴らしい経営者か、かなり鈍い経営者か、どちらかでしょう。
そう思ったことの無い経営者はほとんどいない、と言えるほど普通の思いであります。

経営者は
日々起こる様々な問題に対して、これを定量的に数字で把握していなければなりません。

企業経営とはつまるところ貸借対照表と損益計算書に行きつくわけですから、
すべての事は数字で捉えたいものです。

もちろん定量的には測れない定性的な要素も様々ですから
全てを数字で捉えろとは申しませんが、
今回のお題の「給料分」とは何か。
これは経営者が数字または、明確で定性的な定義で捉えておくべきことでしょう。

売上総利益に対しての人件費率は大体これくらいだと大概の経営者は想定しているはずです。
しかし月次の決算を締めたら大概は、目論見通りにうまく行っていない現実に直面します。

固定費は容易に減らせないので固定費という名前がついているわけですが、
その現実を月次決算で突きつけられるにつけ、「おい、給料分くらい働いてくれよ」という
思いが出てしまいます。

「給料分」を従業員に明示しよう

"自分の会社や仕事に愛を持って。。。"とか"仕事にやりがいを持って。。。"というタイプの
経営者がおりますが、

従業員にすれば具体的には何を言っているのかわからない事が大半かと推測します。

 

従業員の関心のほとんどは、自分がどんな分担で働いて、いくら給料がもらえるのか、です。

 

ですから、ここで大事なポイントは、

何が従業員Aさんの給料分の働きなのかを経営者が明示しているか、という点です。

 

経営者と従業員の意識のギャップは互いに感じるのが常ですが、

「ギャップ」は「役割の具体的明示」をしてあげないと解消は出来ないものなのです。

 

  • 従業員Aさんの、組織内での役割や期待値は何か。
  • それをいつまでにアウトプットしてもらう事を期待しているか。
  • この期待値が給料にいくら反映されているか。
  • その期待値を基準としてAさんの働きがどうだったのか。

それらを明示して初めて「給料分は働いて。。。」という言葉が出てくれば
Aさん本人にとってわかりやすくなるのです。

 

こいつはやる気に乏しいな。そう感じる社員はいるものですが
本当にやる気が乏しいのではなくやる気の方向性が分からない、というケースは
私が見てきた社員にも結構いました。

 

期待値を定量的に見せてやり、その「見える化」を徹底する

それによりこのようなケースは改善できるものです。

 

では次回は

統計を使って従業員の目線で「給料分」とは何かについて掘り下げてみましょう。

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