"大増税"時代の相続税対策

税理士・FP・行政書士

寺尾 省介

※この原稿は、平成25年11月17日時点の法令によります。

第5回 賢く財産を減らす

これまで、相続税の節税対策として、課税対象財産の評価を下げる方法を見てきました。

節税のもうひとつの方法は、財産を減らす方法です。

 

 

課税対象財産を減らす方法には、3つあると思います。

① 贈与する。

贈与というのは、基本的には、

贈与する側が「ただであげますよ」、もらう側が「もらいますよ」という行為なわけですが、

じゃあ、節税のために相続財産を減らすためには、どんどん贈与すればいいかというと、

そういうわけにはいきませんね。

相続人同士の争いの元にならないように贈与しないといけませんし、

なにより、贈与税がかかりますからね。

 

贈与税のほうが相続税よりずっと高い税率がかけられますから、

相続税と贈与税のバランスを見極め、贈与後の相続時財産などを構想した上で

適時適切に贈与していく必要があります。

② 財産を組み替える

金銭は額面どおりの金額で評価されますが、

たとえば建物は、購入価格よりもずっと低い評価額になりますから、

財産を組み替えるのも課税対象財産を減らす一案ですね。

 

ある友人が、夫が亡くなったから、自宅の土地家屋を売って、マンションを買う、

といっていました。

これなんかは、節税のためにするわけではないでしょうが、

自分の人生と節税が調和している例ですね。

 

それから、非課税財産を取得するという方法もありますね。

仏壇やお墓には税金がかかりませんから、生前に購入しておいたり、

生命保険も、非課税枠がある上に、死亡時に現金が手元に戻るという点で、

役に立ちますね。

③ 使う

使うといっても、錦に行って飲みあけるということではないんですよ。

 

自宅の修繕やリフォーム、それから、境界がはっきりしない土地の測量など、

後々費用がかかりそうなことを前倒しでしておくということです。

 

それから、国や市町村へ寄付するというのも一案ですし、

立派なお葬式をあげるのも意義のある使い方といえるように思います。

 

財産を減らすことによる相続税対策、
まずは気軽にできそうなものからはじめてみてくださいね。

 

次回は、贈与するのに欠かせない、贈与税の制度についてお話します。

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