倒産しない会社作り -強い売モノの作り方-

一般社団法人 市場創造研究会 理事
商品企画考房
代表 清水孝洋

掲載日:令和元年12月12日

第5回 企業を成長させる「強い売りモノ」を創ろう

今までのおさらいです。

 

会社を安定させ、成長させるには、

既存(今ある)事業(親亀)をしっかりと守ってください。

次に、新しい事業(商品・サービス)を開発し、(小亀として)積み上げてください。

ということです。

 

さて、成長に必要な、成功する新商品やサービスはどうやって作るのでしょうか。

原点は、消費者ニーズに応える

わかりきったことですが、ニーズに応えることです。

 

ただし、多くの方は、ニーズとウォンツを混同されています。

 

私はキーニーズ法という商品開発メソッドのコンセプターなのですが

(紙面の関係上、キーニーズ法の詳細は割愛します)

必ず、開発対象ニーズをDoニーズ(生活ニーズ)としています。

つまり、「ダイエット食品が欲しい」をHaveニーズ(所有ニーズ=ウォンツ)とすると

そのDoニーズは「痩せたい」です。

 

多くの方が、所有ニーズつまりウォンツをニーズと呼んでいます

ここに応えると、「ダイエット食品」しか開発できません。

しかし、Doニーズ「痩せたい」に応えれば多種多様な商品が考案できます

消費者の目的は、「ダイエット食品が欲しい」ではなく、「痩せたい」なのです。

 


ニーズが充足されていないこと

次に重要なのが、「未充足」であるということです。

未充足とは、まだ達成できていないニーズのことです。

ニーズがあっても、すでに充足していれば消費者は欲しいと思いません。

 

乱暴な方法ですが食べないことで痩せていきます。

でもこれを実践する人は少ないでしょう、なぜなら健康に良くないとわかっているからです。

つまり、多くの人は健康を害してまでは痩せたくないのです。

 

なので、未充足ニーズの例は、「美味しいものを食べながら痩せたい」ということでしょう。

「美味しいものを食べながら」という条件がつくことで今までできなかった

夢のようなわがままニーズに変身するのです。

本当にこんなことが叶うなら消費者は喜んで買ってくれると思いませんか。

 

商品コンセプトと商品パフォーマンス

「未充足ニーズ」に応えるためには、商品の性能つまりパフォーマンスが大事です。

「美味しいものを食べながら痩せたい」をかなえることが商品コンセプトになります。

 

商品コンセプトは買う前に欲しいと思う力のことで、初回の購入を促進します。

 

商品パフォーマンスは、買った後に良かったと思う力再購入を促進します。



コンセプトが悪ければ、まず初回購入が少なくヒットに結びつきません。

パフォーマンスが悪ければ、再購入に結びつきません。

 

欲しいと思って買う、

良かったと思ってまた買う、

 

これがヒットのサイクルなのです。

新カテゴリーを創る

最後に必要な要素が、「新カテゴリー」です。

 

新商品はもとより、商品やサービスの改良でも、新カテゴリーに位置づけることで

大成功することはよくあります。

 

たとえば、トニックシャンプー。今思えばトニック風のシャンプーですが、

当時は、シャンプーは女性のものであり、男性向けはありませんでした、

そこで、男性の洗髪ニーズである「洗髪するだけで頭も気分もスッキリさせたい」と

ニーズを発見し、それに応えた商品として登場したのがトニックシャンプーです。

この商品は、それまでにない「男性用頭皮爽快シャンプー」として
新カテゴリーを創造し、30年以上売れ続けているのです。

 

  • Doニーズ(生活ニーズ)に応える
  • ニーズが未充足であること
  • 商品コンセプトと商品パフォーマンスのバランスが良いこと
  • 新カテゴリー商品であること

 

以上の4つの要素が満たされている商品やサービスは、

M.I.P(Market Initiating Product)=新市場創造型商品と呼ばれ、

後発品の100倍の成功率であるといわれています。

 

さて次回は最終回です。

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