中小企業が直面している緊急課題と乗り越え策

株式会社武田マネジメントシステムス
代表取締役 武田 哲男

掲載日:令和元年5月2日

第1回 社会・経済・市場・企業・顧客の変化」と課題

環境の変化を見る

皆様には「釈迦に説法」ですが、

世界で起る社会・経済環境の変化がダイレクトに企業に影響を及ぼす時代であることを再確認し

おきたいと思います。

 

ともあれモノの見方は色々ですが、以下の3つの視点から物事を把握しないと、

判断を誤りがちです。

  1. 鳥の目:俯瞰(ふかん)してみる:例えば、国際情勢・社会環境・経済環境
    などがどのように自分達のビジネスに影響を及ぼすのかを広い視点から見る。
  2. 魚の目:潮目を見る:市場・企業・顧客はどのような潮流にあり、またどのようにその流れに乗ったら良いかの観点からとらえる。
  3. 虫の目:多様面と細部を見る:細分化・多様化した要素から見る。

 

そしてこの3つの目で見る現在のビジネス経営環境は以下のとおりです。

 

(1)特に日本国内の市場規模は縮小の一途

  1. 商品・サービスの供給側が多く、購入側が減少の市場成熟・飽和による影響。
  2. 特に日本では少子・高齢化が進行し、様々な業界が影響を受けています。
    これをチャンスと見ることは出来ますが、
    一方、今後の生活が厳しくなることを心配し支出を押さえる高齢者や家庭も
    増えています。
  3. 業種間競争激化による値引き合戦(経営には百害あって一利なし)の問題。

 

(2)中小企業の実態

 

全企業数を100%とした時、中小企業の比率約99.7%。

そんな中小企業のうち約60%が

「売上の伸び悩み、競争激化などによる収入の減少」

「物価の上昇・各種増税などによる支出の増加」により苦戦。

 

これが顧客や従業員の心理に影響を及ぼしています。

 

(3)「分業・モジュール化」と国際間競争のボーダレス化

  1. 例えば乗用車の部品は約3万点。
    部品ごと各社に発注し海外の工場に集め、接着・溶接で「物」化。
    しかし現地で働く人達の人件費アップによりコストも上がってきています。
    また、高度情報化・機械化・ロボット化・AI(人工知能)導入は海外企業が勝る
    ケースも増えています。企業が海外から撤退する背景です。
  2. サービス分野も同様に分業・モジュール化が進行。
    コストダウン・効率化・スピードアップもライバルと同質化しています。
    しかも市場は成熟、飽和・・・。
  3. 現場の働き手の分業化とロボット化。
    また、顧客の手間を増やすコストダウン策も顧客のロボット化となり
    飲食業などでは高齢者離れを招いています。

「顧客づくり」「顧客つなぎ」「顧客つづき」の取組み

新規顧客の開拓は必然ですが、

「生まれて初めての購入者・初購入の企業」は市場のほぼ10%以下。

 

ほとんどの顧客は既に所持する商品・サービスの

買い替え・買い増し・リピーター・リピートオーダーです。

 

新規顧客の確保はライバル他社顧客が当社へブランドスイッチすることでなされます。

 

ですから「顧客との良質で永いご縁の創造」が重要な時代であると言えます。

 

では、どのように顧客との良質で永いご縁を創造するのでしょうか。

その秘訣は「CS(顧客満足)」活動にあります。

 

次回は「真のCS」とは何かを見ていきましよう。

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