伸び悩み、ジリ貧企業は必見! 治した会社から伸びていく「中企業病」対策

フラックスブレイン・コンサルティング

代表 宮林幸洋

第5回 「中企業病」の処方② ~巡りを良くする

慢性病には東洋医学のアプローチ

「中企業病」はトップのマネジメントに端を発したとは言え、

すでに組織全体が罹患した病気です。

そう簡単に改善できるものではありません。

発症や悪化のメカニズムを考えれば、特効薬はなさそうです。

 

しかも、この病気は根治することはおそらく困難なので、

症状がひどく出ないように抑え込めばよいのだと考えています。

 

そうなると、何やら人の身体でいう「慢性病」のようでもあり、

漢方や東洋医学のようなアプローチが効果的かもしれません。

気血の巡り

会社全体が沈滞して不活性な状況になっています。活性化させる必要があります。

東洋医学的に言うと"気血の巡り"をよくして体質を良くしていくという感じでしょうか。

(筆者は医学の専門家でもないため詳しくは知りませんが、そういうものと捉えています)
この考え方は、会社の慢性病たる中企業病にも上手く当てはまります。

 

では、会社にとっての"気血"とは何でしょうか?

 

私はそれこそがコミュニケーションであると考えています。

 

中企業病に罹っている会社は、

ほぼ間違いなく社内のコミュニケーションが停滞しています。


コミュニケーションの効果

コミュニケーション・・・なんだかありふれた話のようですが、

実はコミュニケーションというものを深く考えてよりよくしていくと、

会社のあらゆることを改善させることができます。

 

私がコンサルティングの現場で最も重視するのはコミュニケーションと言っても
過言ではありません。

残念ながら今回は詳細にお話しすることができませんが、要点のみ・・・

 

コミュニケーションは不活性な会社資源を活性化させます。

 

例えば、営業担当が把握している顧客のニーズを開発・製造担当に伝えることで
付加価値の高い商品に生まれ変わるケースなどです。
これはコミュニケーションがもたらした「情報による価値」と言えます。

 

人材育成も上司と部下のコミュニケーションで成り立ちます。

よいコミュニケーションが行われれば部下の能力は高まるでしょう。

 

他にもそんな例はいくらでもありそうです。

 

情報を運んで価値を生んだり、個人や組織の能力を高めたりと、
コミュニケーションを上手く行うことで、会社のあらゆることが活性化するのです。

 

コミュニケーションのテーマには経営戦略・計画がよさそう

慢性病である中企業病には、人体の気血の巡りをよくするように、

コミュニケーションをよくするのがよさそうなのですが、

実際どのように"処方"すればよいでしょうか。

 

まず、何をコミュニケーションの題材とすればよいでしょうか。

 

会社はビジネスの場ですから、ビジネスに関することがよいのは当然です。

中企業病は会社全体の問題ですので、

やはり会社全体で共有すべきことというと、「経営戦略や計画」となります。

 

「経営戦略や計画」は本当に中企業病に有効でしょうか?

ここで、中企業病の症状や、病気を悪化させる要因をおさらいしてみます。

  • トップに権限集中(⇒権限を委譲してトップは一つ上の仕事を)
  • 主体性や思考力の低下
  • 中間マネジメント、指導育成の未成熟
  • 業務の逼迫
  • 連絡・相談の不備
  • 一貫性のない施策・指示   などでした。

 

これに対して、「経営戦略」や「経営計画」は次のような目的でつくられます。

 

  • ビジョン策定とそれに応じた事業展開や新しい取り組みの方針として
  • 役員や中堅クラスが本来のマネジメントを行うための指針として
  • 各自の責任と権限を明らかにするために
  • 人材育成の方向性や、部署間の共通認識を図るという目的共有のために
  • 目的に向けて一貫した施策を展開するために
  • やらなくてもよい業務をやめて、やるべき業務に注力するために
    など。

 

これらのことが社内で活発にコミュニケーションされるとすれば、

中企業病の改善には随分と効果的に使えそうです。

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