できる人の仕事ぶり、改善の在り処を探る ~あきらめない職場づくり~

株式会社エフェクト
石井住枝

トヨタ流人財育成とは

仕事の原点は現場にある

「仕事の原点は、現場にある」が上司のいつもの口癖でした。

 

自動車製造業ですから、自社の商品に乗り、役員でも自分で運転していました。

通常の移動や出張など長距離であっても、よく運転しています。

 

日常に運転するからこそ、

車の良さや欠点など、そして乗りやすさの追求や安全性などの気付きもありますので、

自ら率先して運転をしていました。

 

社員全員が顧客であり自慢できる車をつくるという姿勢があります。

これは現地現物を自ら体験する当たり前の姿のひとつでもあります。

 

疑問があれば、現地に出向き、目、耳と五感を使って自ら確認をします。

 

役員になれば多数の報告書が届きます。

最近はビデオ撮影などで遠隔で確認やテレビ電話で会議をすることもあります。

しかし資料に「?」と疑問に感じたことがあれば、

時間をつくり、製造現場、新規工場、営業現場に自らの目と足で確認をすることを

怠りませんでした。

 

現地現物は、自らの疑問点を解決するだけでなく、

問題点の感度を高め、率先垂範をすることで周りにも行動で示していました。

委任し、部下を育てる

人材ではなく、人財は、

単なる「人が財産」だけでなく、「育てる」ために多くの時間を費やしていました。

 

仕事は任せながら、「上司として、責任もってフォローする」をきちんと行います。

 

私があるプロジェクトのリーダーになった時

「あなたの好きにやってみなさい。

何かあった時は、僕が責任をとるから、心配せずに思い切ってチャレンジしてみなさい」

と。

 

女性である私が、責任者となり仕事を進めていくには、

風あたりが強いことも多々ありました。

それを理解した上で伝えてくれたメッセージだったのだと思います。

 

おかげで、私はその仕事に集中して取り組むことができ、

その道を整えてくれたので、余計な噂を立てられることもなく、

大きな成果を成し遂げる事ができました。

 

部下に仕事を任せることは上司に大きなリスクがあっても、
「責任をとる」のメッセージは、

部下にとって大きな安心感の中で、思い切って仕事ができることにつながります。

任せただけでは終わらない

仕事を任せた以上、任せた側にも責任があります。

部下が、「はいわかりました」だけでは絶対に終わらせてはくれませんでした。

 

「言って」「言わせて」「やって」「やらせて」「フォローする」

この5段活用で仕事の指導をし、できる最後まで見届ける事をさせられました。

自信のない上司にはできないこと

上司によっては、1から10まで言わないと気が済まない方もいます。

また逐次進行具合が気になって何度も確認、

しまいには自らやった方が早いと口を出してしまう人がいます。

 

仕事を任せれば、思っていた以上に時間がかかり、失敗やミスが起こることもあります。

それも含めて、指示した側の上司が責任をとると覚悟することで部下は育ちます。

粘り強く見守り、きちんとフォローある上司に育てられた部下は、

時間はかかるかも知れませんが、つよいブレーンに育っていくものです。

 

次回は、「上司のサポーターとなるために」をお伝えします。

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