日本経済新聞を上手に読む方法

帝京大学経済学部教授
山本 博幸

掲載日:令和元年10月23日

第6回 コラムの音読と書き写をしてみよう

小学校の教室を思い出してみましょう、音読があったはずです。

これが効くんです、恥ずかしがらずに声を出して読みましょう。

声に出して読みたい記事

スクラップには相応しくないのですが声を出して読んでみるべき記事があります。

 

しかし、完結していないものを読んでも"残尿感"が出るだけです。

では、何を読んだらよいでしょうか。

 

内容が容易、また逆に難しくて意味不明のものを読んでも楽しくありません。

起承転結があり適度な量であり、記者が命がけで書いたものがいいと思います。

 

最高の音読候補はだい第1ページ目の下にある超有名コラム「春秋」だと思います。

朝日新聞で言えば「天声人語」、読売で言えば「編集手帳」、

毎日でいえば「余録」にあたります。

 

それぞれ、トップクラス記者が担当しています。

その割には分かりやすく、楽しく、多くの新知識や教訓を含んでいますから、

丁寧に音読すると、頭にこびりついてきます。

 

いつか、なにかのきっかけで自分の言葉として飛び出す可能があります。

もっというと、自分で理解していない言葉は飛び出しません。

 

また、頭で分からない言葉が飛び出してきても尊敬を集めることはできないでしょう。

従って、春秋は音読し、読み込み、味わい読み込み味わいを繰り返しましょう。

 

「春秋」およそ400字詰め原稿用紙2枚程度の分量です。

800字を読むのですから数分ですみます。

声をだして読むことで、脳は覚醒します。

 

そして極めて高い教養のある記者の渾身の筆を自分の体内に吸収することが

可能となるのです。

そのためにも、ある程度の期間は続けたいし、続けられれば体内吸収されて、

後に自分の言葉つかいとして再生されます。

 

そのころには、会社や学校で有数の教養人だとの評判が確率してくることでしょう。

 

何度か読み直してみましょう。

継続は力なりです、音読ですよ。

筆をとって書かきたい記事

私事ですが、僕には子供が2名います。

二昔前、大学受験の時に、一つだけさせたことがあります。

日経新聞のコラム「明日への話題」を毎日毎日、書写させたのです。

「春秋」が一流記者の作品なら「明日への話題」は各界の著名人の書いたものです。

 

したがって、内容は多岐わたり、それぞれが興味深い話です。

校閲者の手が入っているので、正しい文章ですが、作者の生活がにじみ出ています。

これを書き写すことで、滋養分が自分に入ってくるのです。

 

書写は新聞理解に長足の進歩をもたらします。

お陰で、二人とも超有名大学に無事合格しましたが,

現在はそのときの習慣を生かして活躍しています。

最後に

6回にわたって、書き進んできましたが、どこかで聞いたことばかりでしょう。

しかし、やったことがないものばかりに違いありません。

目をつぶって、実行してみてください。

 

繰り返します、日経新聞は当初は週一回金曜日か土曜日に紙版を買いましょう。

一週間かけて、読み切りましょう。

スクラップブック・音読・書写をわすれずに。

 

そして、一番重要なことを言います。

当初は"犠牲者"をさがして、

すなわち聞き手を見つけて、日経新聞で知ったことを語るのです。

 

本当のことをいうと、これが一番、役に立ちます。

 

ただし、インプットがないとアウトプットができません。

さあ、インプットを頑張りましょう。

そしてアウトプットをすることです。

 

これが肝です。

 

人に語ることは、二度学ぶことです。

そこに知識のコアができるのです。

あとは、雪だるま式に自然に力はついてゆきます。

 

心配いりません。

僕はこれだけで生きてきました。

安心して継続しましょう。

[完]

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