取引先を見直す絶好の機会です

リスク管理研究所

高市 幸男

第6回 評価・効果測定

 

取引の基本方針

従来の与信管理は「営業の足かせになる」「売上増加の邪魔になる」など、

後ろ向きの見方があります。原因は、損失の回避のみに注目しているからです。

 

一方、リスクマネジメントは、損失の回避だけでなく利益の獲得も目指します。

この役割を表したのが図表13です。

 

 

つまり、

発生度・損害度共に高い先は取引の回避、取引額の削減を目指しますが、

発生度・損害度が共に低い先取引額の増加を目指します。

 

また、発生度の高いところはその低減策を実施し、

損害度の高い所はその低減策を実施することで、取引の増額が図れるのです。

リスク対応の評価・効果測定

年1回は全ての取引先のリスク評価を行って下さい。

そして、発生度・損害度それぞれの点数の合計と平均点を計算して下さい。

 

この点数が、その年のリスクマネジメント業務実施の結果となります。

毎年実施すれば、成果の評価、効果を測定することができます。

 

数値という可視化されたデータによって、

取引基盤の安定度を確認することができ、

会社の発展・成長への貢献が明確に理解できることと思います。

リスクマネジメントのPDCA

毎年の発生度・損害度の合計点数及び平均点数は

前年対比による評価だけでなく、目標を設定しての目標管理も可能になります。

 

 

目標を設定し、具体的な施策を検討するため、リスクの認識に戻ります。

 

つまり、

リスクマネジメントのPDCAを回すことになります。

 

発生度の点数を下げるには、発生度低減の施策を実施します。

損害度の点数を下げるには、損害度低減の施策として、

損害金額の削減、または、経常利益の増加を図ればいいことが分かります。

 

以上、取引・信用リスクマネジメントによって強固な取引基盤を形成し、

貴社の経営がますます安定、ご発展することをお祈りし、終わりとします。

 

ありがとうございました。

[完]

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