デフレ脱却!破壊的アイデアにより付加価値を生む!

発明プロデュース協会
代表 木村勝己

発想の方向を変える!成熟社会に生き延びる戦略とは?

求められる時間節約型商品

前回の内容から、

人間の欲求がマズローの5段階欲求説でいう高次の欲求に進み、

自己実現の欲求に到達すると、時間が不足してくることがわかりました。

 

そして時間が不足してくると求められる商品、

それはズバリ「時間節約型の商品」になります。

日常の仕事を自動化してくれるもの、

単純作業を変わりにやってくれるものが求められるのです。

 

ロボットはその代表といえます。

掃除ロボットが複数のメーカーから商品化されていますが、

これらは時流の先取りといえます。

仕事で留守の間でも、ロボットが部屋の中を掃除してくれるのです。

 

QBハウスが、多くの地域で見られるようになりました。

これも時間節約型のサービス商品です。

会社の昼休みでも10分間でヘアーカットできてしまいます。

無洗米も時間節約型商品といえます。米をとがなくても炊飯できるのです。

 

人間の欲求の変化から消費行動の変化を読むと、

時間節約型商品やサービスのニーズが見えてくるのです。

成熟社会に生き残る戦略とは?

成長社会から成熟社会に入りモノ余りの時代、多様性の時代となってきました。

マーケティングの考え方も変わらずを得ません。

 

モノでなくコト市場の到来です。

製品の機能を売り込むのではなく、

機能がもたらす新しいライフスタイルの提示が重要になってきます。

そこには商品を手に入れたあとの、新しい未来像が求められるのです。

 

【図6】

 

不便といった問題の解決である不の解消商品(モノ)から、

夢の実現商品(コト)への欲求が大きくなっています。

未来像のイメージ化と顧客への提示が重要になっているのです。

 

車のディーラーでお父さんは、ワゴン車を一生懸命のぞいています。

スポーツカーでなくワゴン車です。

頭の中には、キャンピングセットを積んで、子供達家族と川原にドライブに行き、

バーベキューをしている光景といったものを描いているのです。

 

お客様の目的は何か、それを商品はどのように解決できるのか。

お客様を中心においての商品の定義が必要になってきます。

この考え方は、事業戦略において特に重要です。

 

時流に乗る事業の再定義

消費構造の大きな変化に伴って、事業の再定義が必要になります。

 

例えば、鉄道事業者が、

会社の事業を鉄道事業とするか輸送事業とするかでビジネスが大きく変わります。

輸送事業と定義すると、お客様の便益を考える視点ができます。

駅ビル商店街の構想や沿線の宅地開発もこの視点から生まれるのです。
お客様は誰で、どのような価値を提供できるかの視点が重要です。

それを実現するために、どのような技術や仕組みを開発したかが説得力を持つのです。

 

アメリカでの鉄道事業の凋落は、

自らを鉄道事業と定義したためと言われるのもうなずけます。

日本の新幹線の売り込みに、この輸送事業の考え方とノウハウを付加価値とすれば、

競争力アップに寄与すると思います。

 

INAXはタンクレストイレで大ヒットを生みました。

ここにも企業ビジョンの再定義があります。

「便器を作る会社」から「環境美の創造と提供」へと、

モノからコトへのビジョン変更です。

 

ここから「快適なトイレ空間の提供」のコンセプトが生まれ、

間取りで決められたトイレの実効空間を広げる開発がスタートしました。

その結果、タンクのないトイレの開発が導かれたのです。

便器の改良・改善の商品企画からは生まれなかったであろう、

破壊的商品の誕生が得られたのです。

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