景気指標を読み解き経営に活かす方法

カネ情報から景気を読み解く

ファイナンシャルプランナー

長谷 剛史

本日の指標

 

今回は、ヒト・モノ・カネの内「カネ」に関する主な指標を見ていきます。

お金に関する指標をチェックすると、設備投資・資金借入時期の検討や

今後の景気を読み経営に活かすことができます。

① M3増加率

カネ指標でまず見るのは、『本日の指標』で黄色の「M3増加率」です。

M3とはマネーサプライのことで通貨供給量を表しています。

簡単に言うと、現金+預金の合計のことで約1,000兆円になります。

 

 

ここ数年の数字を確認すると、現金+預金が増加しているのがわかります。

景気が良くなるとM3は増加し、景気が悪くなるとM3は減少します。

 

つまり、景気が良くなりそうなときは、

お金を借りて設備投資しても大丈夫という考えになり、企業や個人が借入を増加させますので

それに伴いM3は増加します。

 

逆に、景気が悪くなりそうなときは、

積極的にお金を借りて事業を拡大したいという需要が減退しますので、

それに伴いM3は減少します。

 

ここ数か月は、+2.5%、+2.6%という数字になっていますので、
景気が回復傾向であることがわかります。

② マネタリーベース

M3増加率とセットで確認したいのが、『本日の指標』で桃色の「マネタリーベース」です。

マネタリーベースとは、流通している貨幣と日銀当座預金(金融機関が日銀に預金している
お金)を合計したもの
で、約100兆円です。

 

日銀は、マネタリーベースを増減することによって、

世の中に出回っているお金の量を
調整しています。

 

つまり、景気が悪いとき日銀が貨幣の流通量を増加させることによって、

資金の流れを良くするという景気刺激策を実行します。

 

 

リーマンショック後、景気浮揚策の一環としてどんどん貨幣流通量を増加し景気を
刺激していることがわかります。

また、マネタリーベースという実際のお金が約100兆円なのに、

M3という通貨供給量が約1,000兆円というのは、

世の中のお金はその10倍動いているという意味で「信用システム」と呼ばれています。

量的緩和とは?

量的緩和とは、マネタリーベースという実際のお金を増加させ、世の中にお金が
溢れる状態にする景気刺激策です。

ただ、実際に紙幣を増刷するのではなく、市中から国債を買い取って資金を放出すること
になります。

 

この政策を取ると、銀行には大量の現金が集まってきますので、

そのお金を貸し出しに回します。

 

現在は、マネタリーベースの伸び率は大きいですが、M3の伸び率はそれほどではありません。

つまり、景気刺激策として世の中に出回っているお金を増加させていますが、

実際にはお金がうまくまわっていないというのが現状です。

 

 

日本の景気を先読みし経営に活かすために、

今回取り上げた「カネ」に関する指標の動向は是非チェックしてください。

今後の設備投資・資金借入時期等の検討に活かすことができます。

 

第6回は、景気指標を読み経営に活かす方法をまとめていきますので、

楽しみにお待ちくださいね。

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