こうすればうまくゆく! 中小企業のIT・システム化

キャリアコンサルティングセンター

代表 小林 順一

第4回 IT・システム化への取り組み方

経営資源が限られている中で、うまくIT・システム化をやりとげ、

企業経営の結果(売上や利益など)を増大させるためには、6つの成功条件があります。

  1. 徹底的に議論する
  2. ステップバイステップ
  3. 業務ごとのIT・システム化のバランス
  4. プライオリティー思考
  5. IT・システム化の責任者の選任
  6. 社長

今回は、IT・システム化への取り組み方といえる ④と⑤についてお話します。

中小企業のIT・システム化に欠かせないプライオリティー思考

(プライオリティーとは優先順位のことです。)

会社の業務の中で、本来どの部分からIT・システム化をやっていったらよいのでしょう。

 

これは大きく2つに分けて考えるといいと思います。

 

■一つは、その会社における基幹システム(業種によって大きく異なる)です。

樹木に例えると中心の太い柱となる部分です。

 

何をもって当社の「基幹システム」とするかは社長が決めなければなりません。

 

■もう一つは、

社内ネットワークやeメールといった情報共有のいわば環境整備にあたる部分です。

 

この2つは普通、併行してやっていきますが

基幹システムにあっては、優先順位を決めることが重要です。

 

それは本格的な受注・発送システムや生産管理システムを同時に立ち上げることは

人的にも資金的にも無理が出てくるし、技術的な危険も伴うからです。

 

最もおすすめしたい優先順位の決め方は

効果がはっきり分かるシステムから導入することです。

 

例えば、

「この業務を従来10名でやっていたが、システム化により3名でやれるようになった」

といった効果が誰の目にも分かるものからやったらよいと思います。

 

効果がわかれば、関係者全員が達成感を持つことができます。

そして、なにより嬉しいことは、

全員がIT・システム化に対し自信を持つことができるため、次につながることです。

IT・システム化の責任者には必ずキーマンを指名せよ

IT・システム化を進めるためには、各部署の代表からなる推進組織が威力を発揮します。

 

といっても、うまくいかない会社は

とかくこの推進組織を作るときに各部署のヒマな人が集まってしまうことです。

 

ヒマな人というのは、やる気のない人ですから、

こういう人が集まった瞬間、このプロジェクトの先が見えてしまいます。

 

これではダメであって、推進組織の責任者とメンバーは社長の指名で決めることです。

また、各部署からのメンバーはキーマンを選ぶことです。

その人がどんなに忙しい人であってもです。

 

そして、できれば責任者は「ITシステム化プロジェクト」室長として

専任体制にすることが望ましいのです。

そうすれば、全従業員にプロジェクトの本気度が伝わり熱気が出てくるでしょう。

 

中小企業の社員は、えてして、自分たちの所属する部署以外のことをするという意識が
あまりない傾向にあります。(間違っていたらごめんなさい)

組織横断的な考え方に慣れていないのです。

 

ですから、このプロジェクトは従来の体制打破のよい機会にもなると思います。

 

IT・システム化は、最初はトップダウンで始めるしかありませんが、

プロジェクトで喧々諤々やって、意見をトップに進言して、社長から認められれば

プロジェクトのメンバーに達成感が生れるし、「やればできるのだ」という成功体験が生れ、

これが間違いなく今後の大きな推進力になるでしょう。

 

ITシステム化プロジェクトは「改革」と「教育」の場なのです。

 

■次回のテーマは

<ITシステム化における社長の役割>です。

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