2026.06.23
社長応援日記
国庫帰属制度で引き取られた土地の行方
財務省は、相続土地国庫帰属制度により国が引き取った土地について、
民間への売却を促進する新たな仕組みを導入する方針を示しました。
相続土地国庫帰属制度は、
相続した土地について利用予定がなく、管理負担のみが生じる場合に、
一定の要件を満たせば国へ引き渡すことができる制度です。
所有者不明土地の増加を防ぐことを目的として、令和5年から運用されています。
これまで一般競争入札による売却が行われてきましたが、売却実績はありませんでした。
そこで財務省は、買い手が見つからない土地について、まず評価額を3割引き下げ、
その後も需要に応じて3か月ごとに1割ずつ価格を引き下げる仕組みを検討しています。
最終的には評価額から最大93%の値下げが可能となる見込みです。
また、売却方法についても見直しが行われます。
従来の入札方式だけでなく、購入希望者との個別交渉による随意契約を認めるほか、
測量や地下埋設物の調査を省略した「現状有姿売買」を導入し、
売却までの期間短縮やコスト削減を図る予定です。
この仕組みが導入されれば、最大9割を超える値引きが行われる可能性があることから、
取得者の属性や利用目的について不安の声が上がる可能性もあります。
土地の有効活用を促進するという制度の目的を達成しつつ、
地域社会との調和や適切な管理が確保される運用が期待されます。
また、購入を検討する側の個人という立場から見ると、
土地価格の大幅な値引きは魅力的に感じられるかもしれません。
しかし、不動産は「安く買うこと」が目的ではなく、「有効に活用すること」に価値があります。
当事務所でも「相続したものの活用予定がなく、買い手もない土地」に関するご相談を
受けることが少なくありません。
土地は取得時の価格だけでなく、その後の維持管理コストも考慮する必要があります。
今回の制度へ改正されれば、取得の選択肢は広がりますが、
利用や管理の見通しが立たない土地については、価格だけに着目せず慎重に検討したいところです。
