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コラム

2026.05.13

寺尾会計の税務的な毎日

現物支給が課税されないとき(社宅 編)【法人税・所得税】

前回「現物給与」の一つとして、食事の現物支給についてお話ししました。
今回は、社宅の提供についてお話したいと思います。

社宅や寮の提供が給与所得として課税されないためには、次の条件を満たす必要があります。

従業員本人の負担割合が毎月、賃貸料相当額の半分以上
  ※食事の現物支給とは異なり、会社負担額そのものに上限が定められているわけではありません。

社宅の取扱いで特徴的なのが、この「賃貸料相当額」という考え方です。

賃貸料相当額とは、次の3つの金額の合計額をいいます。
 (1) (敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%
 (2) (建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
 (3) (その建物の総床面積㎡/3.3㎡)×12円


具体的な金額を用いて計算してみましょう。

家賃 80,000円/月

敷地の固定資産税の課税標準額 15,000,000円
建物の固定資産税の課税標準額  9,000,000円
建物の総面積  99.00㎡

従業員と会社の負担額が次のとおりであるとします。
 従業員 負担額 30,000円
 会 社 負担額 50,000円

この場合の賃貸料相当額は以下の通りです。
15,000,000円×0.22% + 9,000,000円×0.2% + 99.00㎡/3.3×12円=51,360円

賃貸料相当額の1/2 = 51,360円/2 = 25,680円 ≦ 本人負担額 30,000円 (賃貸料相当額の1/2以上)

したがって、会社が負担した50,000円については、現物給与として従業員の給与所得となりません

ここで注意したいのは
「実際の家賃額」ではなく、「賃貸料相当額」を基準に現物給与を判定する点です。

今回のケースでは、実際の家賃8万円の1/2=4万円 > 本人負担額3万円なので、
一見「① 本人の負担割合が賃貸料相当額の毎月半分より少ない」ように見えます。

しかし、第三者から部屋を借りて従業員へ提供する場合においても
給与課税の有無は給与課税の有無は「実際の家賃」ではなく、「賃貸料相当額の50%」を基準として判定されます。


なお、社宅の借主が従業員ではなく、役員である場合において、社宅が小規模な住宅に該当しないときには、賃貸料相当額について、上記とは別の取扱いがあります。


また、社宅の提供では、消費税の取扱いにも留意が必要です。

従業員に転貸するために借り受ける場合の家賃は、住宅家賃として消費税は非課税になります。
また、その際、従業員から徴収する家賃についても、消費税は非課税です。

これは、会社負担分が現物給与として課税される場合も、課税されない場合も同様です。

現物給与や消費税の取扱いを正しく理解し、不要な課税や税務調査での指摘を受けないよう適切に対応していきたいところです。

国税庁 No.2508 給与所得となるもの
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2508.htm

No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2597.htm

No.2600 役員に社宅などを貸したとき
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2600.htm

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