愛知県名古屋市緑区|税理士・会計事務所
愛知県名古屋市緑区の税理士|税理士法人寺尾会計事務所

全メニュー

コラム

2021.03.03

経営支援資料館

仕入れ先様との共同ものつくり改革活動とWinWinの強化        第3回 活動の詳細1(5S、品質編)

ものつくり110番 改善アドバイザー
吉田 克夫

第3回、第4回は仕入先様との実際活動について記載させて頂く。
まずはものつくりの基本と言われている、源流保証の5Sより説明させて頂く。

5Sと改善

5Sが良く出来ていて素晴らしい会社があるからと紹介され、何社か訪問見学させて頂いた。

経営者の方に、これだけ5Sが出来ていれば、業績も良いでしょうとお聞きすると、
そうでも無いらしい。逆に維持費用が大変との声も聞く。

源流保証活動における5Sの骨子は、5Sと経営、5Sと品質、5Sと人材等、 5Sを行う事による
アウトプットを明確に追及している事にある。

5Sは目的ではなく、経営目標達成の為の手段なのである、と説き続けてきた。

5Sと経営改善事例

5Sと経営(5Sは儲けに繋がらないと意味がない)には二つのパターンがあり、
一つは通常の5Sを展開し、その結果を金額換算し、後で業績貢献に反映する方法。
もう一つは、最初から業績目標値を設定し、5Sの中に改善を網羅して進めて行く方法である。

ある企業の後者改善事例を紹介する。

新規事業取り込みの為に、新建屋が必要となり総工費は数億円との事であった。
建屋ありきに疑問を感じ、現場のヒアリングと実態調査を通じ認識できたのは、 新建屋不要論である。

戦略は現建屋改善で一棟空にし、新規事業に充てるとした。

戦術は5Sチームと、男子改善チームを発足させコラボレート活動を展開することにした。
5Sチームは女性のみ6名で構成し、5Sレデースと命名した。
このチームは正社員1名と派遣会社5社の中より代表各一名ずつの集合チームである。
(後に大フイーバを巻き起こす)

5Sで不要物を取り除きスペースを空け、取り除いた廃棄物で改善を実施し
更にスペースを空けて行った。

改善の中には、ある設備の作り直しが必要になり、外部見積は2000万円であったが
自分達で5Sの廃材を利用し20万円で製作してしまった。

これらの積み上げにより、必要スペースが確保でき、新建屋建築費数億円は不要となった。

この活動はメディアでも注目され、新聞雑誌にも掲載され、工場見学が増え
現場での商談をいくつも成立させ、業績向上に繋がった。

品質改善

次に品質改善について説明させて頂く。

品質改善の基本スタンスは、仕入先様の中に自分達と同等レベルの人材を育成し、
育成された人材を通じて、自主的に再発防止と予防処置に務めて頂くことである。

品質改善事例

仕入先様と一緒に場面に適した品質改善を展開してきたが、下記に活動一覧を添付する。

源流保証における品質改善項目一覧

ここではNO3の問題解決訓練について紹介させて頂く。

再発防止の為には問題解決技能が不可欠であり、
仕入先様問題解決技能者育成を目的に道場を展開してきた。(品質管理道場)

道場への一回当たりの仕入れ先様参加社数は6~7社で、期間は6ケ月である。

基本は座学と現場での実践指導であるが、テーマは自社内で発生している問題を取りあげ解いて行く。見えない(見れない)事実を見えるように工夫しながら、解決に至った時は涙する受講者もいる。

終了者には認定書が授与され、自社内再発防止に努めると同時に、
二次仕入先様への指導も実践する。

品質コミュニケーション

NO15に記載されている品質コミュニケーション法についても触れておく。

品質向上の為には多くの部門や仕入先様が関わっている。
品質向上の為には、これらの関わりのスピードと情報の質が大切になってくる。

コミュニケーションをとるタイミングは、期、月、週、日、時間、都度とさまざまである。

一般的には、月報や品質問題発生時の電話連絡等があるが、
中国やタイの仕入れ先様は、メーカーに検査員を常駐させたり、携帯電話を駆使し、
問題内容の即効確認と自社への即時フィードバックを行っているところもある。

品質コミュニケーション法により、品質に対する仕入先様の本気度が見えてくる。

第3回はこれにて終了とさせていただきます。

お問い合わせ

お問い合わせフォームまたは
お電話よりお気軽にご連絡ください。

お問い合わせフォーム

お電話でのお問い合わせ

TEL.052-622-2279