アラブ諸国に販路拡大するために ~今話題の「ハラール」を正しく知る~

アラブ・コンサルティングサービス東京

岩口 龍児

第6回 日本企業のアラブ・イスラーム諸国での可能性

今回まで、

  1. アラブについて
  2. ハラールと認証ビジネス
  3. イスラームの法律
  4. アラブ世界で成功する人材

 

などについてメルマガに寄稿してきました。

 

今回はまとめとして

日本企業がアラブ・イスラーム諸国で

ビジネスにおいて成功する可能性を探ってみたいと思います。

「ポスト石油時代でアラブに求めるもの」

アラブと言えば、石油。

 

私は現在39歳ですが、学生時代の社会科でそのように習いました。

 

実際、私は日本企業の石油プラントのエンジニアリング会社で働いていました。

 

しかし、今年2015年の6月

アメリカが世界最大の産油国になりました。

ロシアや中国も産油国の上位国です。

 

例えば、UAEのドバイ首長国。

アラブというと石油マネーで潤っているイメージがありますが、

実際のところ、ドバイは経済政策で成功しました。

 

また、他のアラブ産油国も、脱石油ビジネスへ加速して行くでしょう。

「ここでも大事なハラール」

私は日本全国でセミナー講師をしています。

 

セミナーの質疑応答で聞かれるのは、

中東・アラブで何が売れますか?

 

それに対して私はこのように回答しています。

なんでも売れます。

但しイスラームに反していないことが条件で」と。

 

第2回のメルマガでも触れましたが、ポルノやギャンブルは「ハラーム」です。

 

そのため、

ポルノやギャンブルを扱う企業はイスラーム諸国には進出できません。

 

例えば日本の漫画をアラブで出版する場合、

内容によっては規制がかかります。

 

また、食品業者の場合、サウジアラビアなどの厳格な国へは

豚やアルコールの持ち込みが禁止されています。

 

以上のことを守れば

アラブのマーケットで勝機があるということです。

「アラブビジネスの成功例『ヨックモック』」

昨年の経済誌ネット版でも扱われたので
ネットで検索すると内容がわかると思います。

 

ヨックモックはUAEに19店舗、クウェートに1店舗展開しています。

 

アラブではコーヒーや紅茶と一緒に甘いお菓子を食べるという文化があります。特に砂漠の厳しい気候では、栄養のあるものを欲する傾向があり、

ラマダーン(断食月)には断食後にナツメヤシ(デーツ)のように

カロリーの高いものを食べる人も多いです。

「大事なのはハラール認証ではない」

こういう話をすると、

「それではヨックモックは『ハラール認証』をとったから

大人気になったんですね!」とおっしゃる方がいますがそれは誤りです。

 

(ハラール認証については、4回目のメルマガで解説しています)

 

ヨックモックは「ハラール認証をとっていません」。

いい商品だから売れたのだと思います。

「アラブには、通販もコンビニもない」

今年7月にSNSで話題になったのは、

サウジの王子が個人資産320億ドル(約3兆9500億円)を

すべて慈善事業に寄付すると発表したニュースです。

 

このような話題がクローズアップされると

アラブにはお金持ちだらけで、

欲しいものはなんでも揃うというイメージをお持ちになると思います。

 

しかし、

日本に当たり前にある通信販売で購入するというシステムもない

また、日本のようなコンビニもないです。

街中にあるのは日本の田舎にあるような個人商店です。

 

今年の夏セブンイレブンがUAEに1号店を出す予定ですが、

日本で当たり前に展開されているサービスは

アラブにはまだ進出していない状況です。

 

同じく今年話題になった中国人観光客による日本商品の「爆買い」も

日本のサービスのレベルの高さの証明だと思います。

「~同じアジア地域の発展のために~」

東アジアに進出した日本企業は、

世界で一番ムスリムが多い東南アジアに販路を広げ

いよいよアラブ・アフリカまで駐在員を送っています。

 

アラブ地域は、日本で中東と呼ばれる地域を含みます。

中東という用語は極東と同じで、欧米側からアジア地域を示す言葉です。

 

私は中東を地理的区分で表す「西アジア」と呼んでいます。

その方が同じアジア人としての親近感を持つからです。

 

西アジアを一緒に発展させていきませんか?

「最後に」

6回に渡りメルマガを通して、

私のアラブ・イスラームビジネスを語る機会を与えて頂いた

寺尾会計事務所に大変感謝致します。

[完]

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