黒字経営、そして赤字からの脱却

さくらマーケティングサービス代表
西原弘之

第5回 時間とは利益である、を徹底する

さて今回からは、

サービス業や建設業などといった企業様も意識した内容に広げてゆきたいと思います。

もちろん製造業の企業様にも有用な内容です。

 

今回は「時間と利益」というテーマです。

時間と利益、時間とロス

売上を得るために広告を出したり、キャンペーンやイベントを組んだり、色々と手を打ち

必死で頑張って収支を締めてみたら実は大して儲かっていなかった、あるいは赤字に

なった。。。ということは往々にしてある話です。

 

これは売る方に考えが偏重した結果、

原価や経費サイドの検証がおろそかになることが原因である場合が多いのですが、

これは非製造業に多い傾向ではないかと常日頃から感じています。

 

売る事やお客様の方をしっかり向く事、それそのものはもちろん良いことですが

CSに気が行くあまり、原価サイドの検証の中で

「時間」という目に見えないコストは考慮から置き去りにされがちです。

 

その結果として従業員やアルバイトに残業をさせて超過勤務手当という形で利益に

インパクトが出てしまう例は分かりやすいのですが、私が申しあげたいのはそれではなく

「機会損失」という時間のロスに起因する損失です。

 

また過重労働を理由に退職する社員や

アルバイトの補充採用費が発生し新人の教育コストも時間もいります。

 

そこのロスをわかっていても今日の現場を回さないといけないという現実もありますが、

これらの「見えにくいロス」の事実を経営者はシビアに見てみる必要はあります。

「標準時間」でシビアにロスを判断する

標準時間」という言葉をご存知でしょうか。

 

ひとつの工程があってそれを完遂するのに必要な時間をあらかじめ設定して

それに対するプラス・マイナスを検証して改善につなげてゆくための作業平均時間、とでも

言いましょうか。

 

これを製造業ですと原価計算に用いまして

SW法、PTS法、MF法、といった用語が出てきます。

紙面の都合上ここでは言及しませんが一度検索してみてください。

 

サービス業の場合はお客様が相手ですから、一概に言いにくいのは十分承知していますがそれでも極力平均化したデータは取っておくべきです。

 

何にどれだけ時間がかかるからスタッフの配置やシフトを最適化しよう、

という基準はサービス業にとっての人件費の意味を考えれば重要な事と言えましょう。

 

平たく言えば、標準時間も生産性の一指標です。

 

生産性は時間という絶対値で「見える化」できたら

経営者にとっては判断のしやすい指標になります。

経営者の時間意識が利益を生んでいる

レストランなどのサービス業や建築現場の作業でも処理の遅い人は必ずいて

そこがサービスの動線のボトルネックになったりして機会損失を生んでいます。

 

少しでも早くサービスを提供して次のお客さんにかかることで、1日あたりのサービス

生産性を向上させる(あるいは数をこなす)、

あるいはお客さんが切れても手持ち無沙汰にさせずその間に何をしてもらうか決めておく

など機会損失を防ぐ事はたくさんあります。

 

時間に厳しい現場は規律も保ちやすく、

結果的にサービスを受けるお客さんの満足も得やすいでしょう。

 

適切な時間管理とは、お客さん・スタッフ・会社、それぞれに利益をもたらせる

"三方良し"の方策です。

 

儲かる現場、生産性の高い現場とはそういう改善に熱心なのですが

これは経営者にそのマインドが無いと絶対に起こらない成果です。

 

まさに現場の利益や黒字経営とは

経営者自身の時間への意識が大きく関係していると言えましょう。

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